【ハードヒット】大日本・野村がパンクラス王者とドロー 藤原組長も好調っぷりを存分にアピール

佐瀬順一

25日の「ハードヒット」メインイベントでは大日本の野村(右)と現ミドル級キング・オブ・パンクラシストのロッキー川村が激突 【佐瀬順一】

 佐藤光留がプロデュースする「ニコプロ presents ハードヒット〜湾岸MOON RISE〜」が、25日に東京・新木場1stRINGで開催された。現在進行形のUとして、パンクラスMISSION所属の光留がプロデュースしているハードヒットだが、これが2017年最初の大会。

 この大会に出場するために、同日おこなわれた大日本プロレスの大阪大会を欠場した野村卓矢。それだけ重要な一戦が用意されたわけだが、野村の相手は現ミドル級キング・オブ・パンクラシストのロッキー川村。しかも名だたる選手を差し置いてメインイベントに抜擢されたのだ。

「格闘技としてのプロレスを追求」

川村は野村に対しバチバチの打撃戦で攻めたが、時間切れ引き分けに終わった 【佐瀬順一】

 岩本煌史もかつてハードヒットで川村に勝利したことをキッカケに実力、人気、知名度が急上昇。いまや全日本プロレスに移籍して、ジュニアリーグ戦で優勝するまでに成長した。それだけに野村にとっては大きなチャンス。

 川村はロッキー川村に改名してからは、プロレスのリングでもパンチを中心としたスタイルだが、この日もレガースやニーパットはせずに拳にバンテージを巻いただけのスタイル。ハードヒットはレガースをしていなければ蹴りを、ニーパットをしていなければヒザ蹴りが使用できないルール。

 若くてイキのいい野村は積極的に蹴りで前に出て来るが、川村は時折ノーガードになりながらスウェーで野村の攻撃をかわしてみせる。やはり余裕を感じさせる川村は、グラウンド状態では野村の腹部に強烈なパンチを落とし、スタンドになれば顔面に掌底を叩き込んでいく。この厳しい攻撃で野村は鼻から出血。

 後退することなく、打撃で川村とバチバチやり合った野村は腕ひしぎ逆十字固めとチョークスリーパーで二度のロープエスケープを奪ってみせる。完全に余裕がなくなった川村は至近距離での打撃の打ち合いで、強烈な掌底を野村の顔面に叩き込んで二度のダウンを奪う。ポイント的には両者残り2ポイントで並び、さらに激しい打撃合戦となったところで20分時間切れ引き分けに終わった。

オープニングで佐藤光留は「格闘技としてのプロレスを追い求めるのもひとつのプロレスだと思っています」とあいさつした 【佐瀬順一】

 オープニングで佐藤光留は「プロレスというのは灰色の格闘技だという言葉が引っかかった。灰色ってことは白でも黒でもない。でも格闘技は格闘技なんだということに気付きました。有刺鉄線電流バットで殴られる様なプロレスがあれば、格闘技としてのプロレスを追い求めるのもひとつのプロレスだと思っています」とあいさつしたが、デスマッチが売りのひとつである大日本プロレスから、現役のパンクラス王者と引き分けるような若手選手が出てきたというのがまた面白いところだ。

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