豪脚カデナ、皐月賞王手の差し一撃! 福永も二冠へ自信「ますます楽しみ」

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調教から熱心に騎乗、深まる相互理解

福永は普段の調教からまたがり、カデナとの理解を深め合っている 【写真:中原義史】

 休み明け初戦で超スローという二重苦の中でも、これだけ折り合いが付いたのは、もちろん馬の気性面の成長があったからだろうが、それ以上に大きな理由が1つある。福永は皐月賞、ダービーをともに戦うカデナとの相互理解を深めるべく、普段の調教から熱心に騎乗している。そうして、愛馬と密にコンタクトを取っているその成果が1つずつ実を結んでいるのだ。

「オーナー(前田幸治氏)が早くから僕を指名してくれたので、厩舎と一体感を持ちながらクラシックに行けるというのは、すごくやりがいがありますね。調教からこれだけ携わらせてもらっていますし、馬との関係が前走よりも良くなったと思います」

 そして、折り合いという収穫のみにとどまらず、あの超スローペースの中を中団から豪快に差して1着という結果まで持ってくるあたりがカデナの“大物感”をより増幅させている。福永の中でも、自身がまだ手にしていない春の二冠へ、より大きな手応えと自信を得たに違いない。

「そうですね、調教の感じからだと1回使ってからかなと思っていたんですが、これだけの動きをしてくれましたからね。もっと良くなってくるだろうし、次がますます楽しみになりました」

落馬負傷からスピード復帰、いきなりの重賞V

いざ皐月賞、そして頂点ダービーへ! 【写真:中原義史】

 2月5日のGIIIきさらぎ賞で落馬し、左肘内側側副靭帯の損傷のため戦線離脱。昨年12月にも落馬し右鎖骨を骨折しただけに、それらケガの影響が心配されていた福永。しかし、カデナの2017年初戦に合わせて今週からスピード復帰を果たし、いきなり重賞制覇を決めてみせた。

「もう痛みもないし、休んでいた期間はトレーニングもびっしりやって来たので、むしろケガをする前よりも体調がいいくらい。でも、勝てなかったらやっぱり病み上がりだからとか言われてしまいますからね。すぐに重賞を勝つことができて良かった。カデナに助けてもらいましたし、オーナーに感謝です」

 四位スワーヴリチャード、福永カデナと牡馬クラシックの重要ステップレースで関西馬が反撃態勢の中、2週後の3月19日(日)にはここ中山で行われるもう1つのトライアル、GIIスプリングステークスに2歳王者サトノアレスが出走予定。関西攻勢が続く中、東のチャンピオンはどのようなレースでもって答えを出すのか。気温の上昇とともにクラシックロードもいよいよ熱を増してくる。

(取材・文:森永淳洋/スポーツナビ)

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