「最後までシンデレラを演じ切った」 三原舞依、強みはミスしない総合力
SP4位から逆転優勝を果たした三原。初出場ながら快挙を成し遂げた 【写真:YUTAKA/アフロスポーツ】
女子シングルでは、初出場の三原舞依(神戸ポートアイランドクラブ)がショートプログラム(SP)4位から逆転優勝を遂げる、ドラマティックな展開が待っていた。初出場初優勝は2008年の浅田真央(中京大)以来の快挙である。
三原とは対照的に樋口と本郷は苦しむ
すべての要素で加点がつくなど、SPから安定した演技を披露 【坂本清】
SPでは、持ち前の安定感を生かして、『序奏とロンド・カプリチオーソ』で生き生きと踊り、得点源の3回転ルッツ+3回転トウループをはじめ、すべての要素で加点を獲得。最後にはガッツポーズも飛び出す納得の出来で66.51点をマークし、4位につけた。
「五輪と同じ会場で滑らせていただけるのはすごく幸せでした。最後まで滑りきれたことでガッツポーズが出ました」
宮原知子(関西大)の補欠として出場が決まった本郷理華(邦和スポーツランド)は、今大会の翌週に開幕する冬季アジア大会に向けた調整を前倒しにして今大会に臨んだ。四大陸は過去2シーズン連続で3位になった相性の良い大会だが、調整不足は否めなかったのだろう。3本中2本のジャンプにミスが出てSP9位(59.16点)。
「出場は、(宮原の欠場が)発表される1日前に知らされました。知子ちゃんのケガが大丈夫かなとまず思って、複雑でした。でも、恥ずかしい演技はできないし、出させていただくからには精いっぱいしっかりやろうと切り替えました」
一方、韓国入りしてから、「練習の調子がとても悪かった」という樋口新葉(日本橋女学館高)は、ジャンプすべてにミスが出て、58.83点で10位と自分らしさを発揮できない演技になってしまった。
「どんな状態であっても試合で力を発揮しなければいけない場面で、それができなかったのが悔しいです。緊張はなかったですが、不安が大きかったので、それが演技にそのまま出てしまいました」