ボートレース女子戦の人気が止まらない! まるでAKB!?なファン投票レースが熱い

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女子戦は予想がしやすい、当たりやすい!?

女子戦は舟券を当てやすい!? 【スポーツナビ】

 一方、女子戦の人気の高さは、見た目の印象だけではなく、公営競技が持つ“ギャンブル”という現実的な側面からも理由があるのだと、山田さんは説明する。

「先ほども説明しましたように、女子選手は200名ぐらいなので顔と名前が覚えやすい。ということは、各選手の実力、特徴も把握しやすいということ。今は若手選手も増えていますが、各選手の実力差も出てきているので、女子戦は予想がしやすいと言われています。それはつまり、舟券が買いやすいということでもあるんです」

 約1400人いる男子選手の場合は人数が多い分、特徴を把握していない選手もいる上、実力差もつかみづらい。それに比べて女子選手は数が少ないゆえに序列がつけやすく、迷うことなく舟券を買うことができる。言い換えれば、予習ができている範囲のテスト問題を解くようなもの。舟券が当たりやすいとなれば、初心者も買いやすいし、ベテランファンならば大きな勝負もできる。結果、購買層が広がっていき、前記したように女子戦の売り上げは年々右肩上がりになっていったのだ。

「我々主催者側としても舟券が売れるから女子戦の開催日数を増やす、そしてまた売り上げが伸びる……といった相乗効果が出ていますね」

人気投票で出走選手が決まる女子初のオールスター戦

 そんな絶好調の女子戦を象徴するように、今年、グレードレース(GII)が新設された。それが2月28日(火)〜3月5日(日)の6日間にわたって広島県のボートレース宮島で開催される「レディースオールスター」。これは、賞金上位の選手が出場できる年末の「プレミアムGI クイーンズクライマックス」、11月の「GII レディースチャレンジカップ」、勝率上位の選手が出場できる夏の「プレミアムGI レディースチャンピオン」と違い、ファン投票の上位選手50名(プラス推薦選手2名)が出場できるレースだ。

ファン投票で出場選手が決まる女子戦初のオールスターが新設された 【スポーツナビ】

 ボートレーサーは成績順にA1、A2、B1、B2という4つのクラスに振り分けられるのだが、「レディースオールスター」の出場資格があるのはA1〜B1まで。だから人気投票といっても単にカワイイだけではダメ。もちろん、どれだけ強くてもファンからの支持がなくてもダメ。票数というリアルな数字で“人気”の上下が出てしまうというのは、女子にとってある意味レースよりも残酷かもしれないが、現在の女子レーサーで誰がファン人気が高いのか――それが一目瞭然となるのは興味深い。

 なお、第1回目のオールスターファン投票で1位となったのは1万3287票を獲得した平山選手。2位の遠藤エミ選手に3000票の差をつけての“圧勝”だ。実力だけでなく、人気もNo.1であることを証明してみせた(※残念ながら私傷病のため欠場となった)。

 そして、この「レディースオールスター」が新設されたことで、「1年の流れの中で女子選手を追うことができる」と力を込めた広報の山田さん。つまり、春の「レディースオールスター」、夏の「レディースチャンピオン」、秋の「レディースチャレンジカップ」、そして年末の「クイーンズクライマックス」と、季節ごとにビッグレースが配置されたことにより、「クイーンズクライマックス」を頂点とした女子戦の1年を通したストーリーが展開されていくというわけだ。

“点”で見るんじゃなく“線”で見るんだ――とは、プロレスラーの武藤敬司や競馬評論家の合田直弘さんが言った言葉だが、すべてのスポーツはある1試合のみを見るよりも、そこまでに展開されているストーリーを含めて見る方が断然面白い。ボートレースの女子戦もその“線”が出来上がりつつあるのだ。

 人気も実力も兼ね備えた女子レーサー50名が争う「レディースオールスター」はどのような勝負、ストーリー、そして結末を見せてくれるのだろう。歴史的第1回目をぜひ注目したい。

 なお、次ページからは「レディースオールスター」に大きな華を添える実力派ベテラン&期待の若手美女選手に話を聞いたので、そちらもぜひご一読を!

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