今年も波乱の決着か? NHKマイルC分析
【データ分析】
上位4番人気以内は前走G1組が好成績
■表1 【NHKマイルCの人気別成績(過去10年)】
上位4番人気以内の前走クラス別成績では、前走G1組が19年アドマイヤマーズら4勝をあげ、連対率・複勝率は54.5%と高く、単勝回収率・複勝回収率ともに100%を超えている。
下位人気では9番人気馬が複勝率30.0%と健闘。10番人気以下も2・3着3回ずつと人気薄の激走が目立つ一戦だ。
前走皐月賞で1ケタ着順だった馬が連対率100%
■表2 【NHKマイルCの前走距離別成績(過去10年)】
皐月賞組の前走着順別成績は前走1ケタ着順に入っていた3頭がいずれも連対を果たしている一方、前走10着以下だった馬は3着1回のみで、複勝率10.0%と明らかな違いが出ている。該当数こそ少ないものの、これは見逃せないデータで、2000mの皐月賞で1ケタ着順に入れていた馬は東京マイルに替わってより力を発揮しやすいということだろう。
前走1600m組は前走2~5着に注目
■表3 【前走1600m組の前走着順別成績(過去10年)】
前走2~5着では前走3着のみ複勝率が20%を割り込むものの、この範囲の好走馬13頭中9頭が6番人気以下の伏兵で複勝回収率が高い。前走6着以下になると苦戦傾向。前走10着以下からは一昨年カワキタレブリー(前走アーリントンC11着)が18番人気ながら3着と激走しており、複勝回収率が跳ね上がっている。
ノーザンファーム生産の前走2~5着馬をチェック
■表4 【ノーザンファーム生産馬の前走着順別成績(過去10年)】
対して、前走2~5着馬が好調で、複勝率が高い。この範囲の好走馬11頭中6頭は6番人気以下の伏兵で、複勝回収率も100%を超えている。昨年も8番人気ウンブライル(前走ニュージーランドT2着)が2着に好走しており、今年も該当馬はチェックしておきたい。
【結論】
今年は人気2頭の順当決着と推測
■表5 【今年のNHKマイルCの注目馬】
NHKマイルCの注目馬は表5のとおり。
例年は前走G1以外のさまざまな路線から来た馬が初顔合わせで対戦し波乱となるケースが多い。ただし今年は皐月賞3着ジャンタルマンタル、桜花賞2着アスコリピチェーノが出走を予定している。この2頭ともに戦績がまったく崩れておらず、調子落ち以外で凡走する場面は考えにくい。表2で示した好相性の皐月賞組からジャンタルマンタルを本命視するが、アスコリピチェーノも休み明けの前走桜花賞2着からさらに調子を上げてくる可能性があり、逆転の目も十分に考えられる。
この2頭の実力が抜けていると見るが、割って入るとすれば前走アーリントンC1着馬のディスペランツァ。そしてノーザンファーム生産馬で前走クイーンC2着のアルセナールも穴としておさえておきたい。
ライタープロフィール
ケンタロウ(けんたろう)
1978年6月、鹿児島県生まれ。早稲田大学社会科学部卒業。初めて買った馬券が大当たりし、それから競馬にのめり込むように。データでは、開催日の馬場やコース適性に注目している。好きなタイプは逃げか追い込み。馬券は1着にこだわった単勝、馬単派。料理研究家ではない。
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