ウインター杯を盛り上げる男子代表候補 大混戦を制し、来年のU19世界選手権へ
インターハイ覇者を支えるツインズ
重冨ツインズを中心にインターハイ制覇、2年ぶりのウインター杯に臨む福岡第一の選手たち 【写真は共同】
その中でもインターハイ優勝の福岡第一(福岡)、準優勝の東山(京都)は下級生時より主力を務めるメンバーが活躍しており、秋の国体でも経験を積んだことから、優勝候補の筆頭に挙げられる。
福岡第一のトランジションゲームをつかさどるのは重冨周希と重冨友希のツインズ(共に172センチ)。キャプテンでポイントガードの周希とシューティングガードの友希の共通点はスピードとディフェンス力があること。周希のパスから友希が走るコンビプレーも息がぴったり。
普段はお互い会話をあまり交わさないというが、それでも西福岡中時代に全国大会で準優勝を遂げた経験もあり、「お互いのやりたいことは分かる」と口をそろえる。
二人はインターハイでの活躍が認められ、10月から始まった来年のU−19世界選手権の強化合宿メンバーに招集され、さらにディフェンス力に磨きをかけている。
「高校最後の大会なので相手も死に物狂いでくると思うけれど、自分たちも追われる立場として油断せずに一戦一戦、気持ちを込めて戦いたい」(重富周)
夏の借りを返そうと冬に向けて雪辱を期している東山のエースは岡田侑大(187センチ)。2年次に地元の京都で開催されたインターハイでベスト4に進出し、その名をとどろかせた。ドライブインやステップワークを得意として得点を量産するポイントゲッターで、留学生でインサイドを務めるカロンジ・カボンゴ パトリックとの息も合っている。
両チーム共に、昨年は福岡大附属大濠、洛南の前に涙を飲んで出場権を得られなかった。優勝候補ではあるが、福岡第一は2年ぶり、東山は4年ぶりの出場となるだけに、“高校生バスケの聖地”東京体育館の持つ独特の雰囲気に早く慣れ、いかに平常心で戦えるかがカギとなるだろう。
来年も期待したい成長著しい2年生
2年生の中で圧倒的な存在感を見せているのが、北陸学院(石川)の大倉颯太(184センチ)。抜群の身体能力から繰り出すドライブインや3ポイントが得意だが、外から攻めるだけでなく、ポストアップやリバウンドなど内外角をオールラウンドにこなし、周りを生かすこともできる。布水中時代に全国大会で優勝しており、試合経験も豊富。北陸学院の上位進出へのキーマンとなる選手だ。
厚い選手層で上位進出が期待される桐光学園(神奈川)のセンター、宮本一樹の名前も挙げておきたい。195センチの高さを持ち、U−19代表の強化合宿に選出された注目株だ。また、明成(宮城)の相原アレクサンダー学(185センチ)はポイントガード修業中で、トリッキーなプレーで大会ごとに成長している選手。長い手足を生かした予測不可能なプレーが飛び出せば、面白い存在となるだろう。