真央の復調は!? 宇野が初Vに近づく 全日本フィギュアは男女とも激戦に

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優勝争いは宇野が軸に

羽生(左)の欠場もあり、宇野が優勝候補の筆頭に躍り出る形になった 【写真:長田洋平/アフロスポーツ】

 男子は、羽生の欠場で趨勢(すうせい)が著しく変化した。一躍本命に浮上したのが宇野昌磨(中京大)だ。

 今月17日に誕生日を迎えた19歳は、4回転フリップを武器に大きく成長。GPファイナルでは、FSでミスを連発した羽生を上回り、自己ベスト(195.69点)をマークするなど、2年連続で3位に入った。今や日本のみならず世界的に見ても、“打倒・羽生”を果たす可能性を持った数少ないスケーターへと変貌を遂げている。宇野自身もその自覚が出てきたようで、「(羽生には)今でも憧れているし、尊敬している選手だけど、いつか追い越したい」と決意を語る。

 本来であれば、今大会がその舞台になったかもしれない。しかし、羽生の欠場でそれはかなわなくなった。だからこそ、ここでしっかり優勝という結果を残すことが宇野には求められる。現状ではまだ技術点、演技構成点ともに羽生と宇野の間に差があるのは事実。羽生がミスなく滑り切れば宇野が勝つのは難しい。全日本選手権ではその差を埋める演技を披露したい。

最後の1枠を巡る戦い

NHK杯で3位と結果を残した田中。初の世界選手権出場を目指す 【写真:アフロスポーツ】

 世界選手権、四大陸選手権の出場枠は3つ。代表に選ばれるには全日本選手権出場が条件だが、スケート連盟の選考基準には、過去に実績を持つ選手がやむをえない理由により欠場した場合、「選考することがある」と定めている。羽生はこの特例の対象となるため、平昌五輪の出場枠が懸かる世界選手権(加えて四大陸選手権)の選出は十分に考えられそうだ。全日本選手権の優勝者は出場が決定するため、順当に行けば残るもう1つの枠を争うのは、無良崇人(洋菓子のヒロタ)と田中刑事(倉敷芸術科学大)になる可能性が高い。

 実績では過去3度出場の無良が優位に立つものの、田中も11月のNHK杯で自己ベストとなる合計248.44点をマークし3位に入るなど、力を伸ばしてきている。4回転サルコウの成功率が以前に比べて上がっており、本人も手応えを感じているようだ。NHK杯で結果を残したこともあり、「世界の舞台でもっと戦いたい」と欲も出てきた。出場権を勝ち取ってもおかしくはない。

 一方の無良は、スケートカナダで8位、フランス杯で5位とGPシリーズは不本意な結果に終わった。それでもフランス杯では合計248.42点と田中とほぼ変わらない点数を出しており、シーズン序盤に比べて調子を上げてきている。ベテランの意地を見せたいところだ。

 羽生に加え、村上大介(陽進堂)、山本草太(愛知みずほ大瑞穂高)といった有力選手の欠場もあり、男子は宇野、無良、田中の3人が中心となる。女子と同様、接戦が予想されるが、果たしてどのような結末が待っているだろうか。

(文:大橋護良/スポーツナビ)

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