【全日本プロレス】復活GET WILDが全勝で最強タッグ優勝 大森が「片っ端から」ベルト総獲り宣言

高木裕美

秋山はカシンの継続参戦アピールに困惑

最後まで“問題児”カシンに振り回され続けた秋山は継続参戦のアピールに難色 【写真:SHUHEI YOKOTA】

 セミファイナルでは、秋山準&ケンドー・カシン&井上雅央&岩本煌史組vs.諏訪魔&青木篤志&佐藤光留&スーパー・タイガー組による異色の8人タッグマッチが実現。秋山とのタッグで最強タッグリーグ戦線を引っかきまわしたカシンは、最後まで問題児ぶりを発揮した。
 秋山とカシンは、そのチームワークが不安視されながらも、リーグ戦ではGET WILDに敗れた1敗のみの2位という好成績。この1敗も、カシンの“裏切り”がなければ、勝ち星が拾えたかもしれない内容だった。

 この日も「はぐれ全日本軍団」Tシャツで入場したカシンは、自ら先発を志願するも、ほとんど何もせずにタッチを要求。5分過ぎには、青木に対し一斉にトレイン攻撃を狙う場面で、カシンは指示を出すだけで攻撃に加わろうとはせず。
 10分過ぎには、タイガーのニールキックを1発食らっただけで、あっさり井上にタッチ。この井上がダウンしてしまうと、コーナーに連れ戻し、岩本にタッチを成立させる好アシストを見せるも、続くトレイン攻撃では、またしても指示を出すだけで自分からは何もせず、勝手にコーナーへ移動。このカシンの自由すぎる振る舞いが響いたのか、岩本が諏訪魔のジャーマンスープレックス、ラストライドの猛攻に力尽き、チームとしては黒星という結果に終わった。

アジアタッグに挑むパートナー・井上にゲキ

秋山はアジアタッグ王者組に挑むパートナー・井上にゲキ 【写真:SHUHEI YOKOTA】

 だが、カシンは試合後も憮然とする秋山に力強く握手を求めると、「またWRESTLE−1に呼んでください」と、よりにもよって全日本から分裂した団体名と間違え、継続参戦をアピール。秋山は「WRESTLE−1じゃないって」とあきれ顔を見せながらも握手に応じるも、「コスパが悪すぎる。どれだけ動かないんだ。今日なんて、正味1分ぐらいでしょ」と、“ギャラ泥棒”ぶりに難色を示した。
 一方、来年1.2後楽園大会で、渕正信&大仁田厚のアジアタッグ王者組に挑むパートナー・井上については「やる気になればやってくれると信じている。生活がかかっているのなら、自分の力で獲ってほしい。相手がジジイだろうが、引退間際だろうが、関係ない」と、合計121歳の王者組から、自力で勝利を奪えとゲキを飛ばした。

世界タッグ王者ながらリーグ戦2敗を喫したゼウス&ボディガー組は王座死守を宣言 【写真:SHUHEI YOKOTA】

 世界タッグ王者でありながら、リーグ戦では2敗を喫したゼウス&ボディガー組は、KAIENTAI−DOJOの真霜拳號&タンク永井組に快勝。チャンピオンとして、来年からの巻き返しを訴えた。
 ボディガーは序盤のタックル合戦で永井を豪快に吹っ飛ばすと、ゼウスも真霜の腕ひしぎ逆十字固めを強引に持ち上げて切り返す。ダブルインパクトは阻止され、ダウンしたボディガーの上にゼウスがデッドリードライブで投げられる場面もあったものの、ダメージを引きずることなく、即座に反撃。ゼウスが永井のスピアーをキャッチして食い止め、旋回式のジャックハマーでトドメをさした。

 2人はリング上で、それぞれ2本のタッグベルトを手に勝ち名乗り。ボディガーが「タッグリーグ戦の結果は振るわなかったけど、来年につながる戦いができた」と気持ちを切り替えると、ゼウスも「タイトルマッチでリーグ戦の借りを返す。相手たを叩きのめすつもりで勝ちにいく」と王座死守を宣言。さっそく、メインイベントでGET WILDが優勝を決めると、ゼウスがリングに飛び込み、「この正月、ボコボコにしたる」と宣戦布告した。

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著者プロフィール

静岡県沼津市出身。埼玉大学教養学部卒業後、新聞社に勤務し、プロレス&格闘技を担当。退社後、フリーライターとなる。スポーツナビではメジャーからインディー、デスマッチからお笑いまで幅広くプロレス団体を取材し、 年間で約100大会を観戦している 。最も深く影響を受けたのは、 1990年代の全日本プロレスの四天王プロレス。

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