【UFC】 静かなるP4P王者D・ジョンソン 冒険の2017年を目指して――

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ジョンソン「敗者は勝者に執着するが、勝者は自分に執着する」

修斗王者の扇久保博正は決勝まで進出したが、惜しくも優勝とはならなかった 【Zuffa LLC】

「TUF 24出場選手のうち、何人かは知っているよ。ティム・エリオットとダマシオ・ページ(Legacy FC王者、米国)は以前UFCに出場していたから知ってる。マット・シュネル(Legacy FC暫定王者、米国)はMTVで放送されていたMMAのリアリティショーに出演していたのを見たことがある。パッと分かるのはその3人かな。それから、(エンカジムーロ・)ズールー(EFC王者、南アフリカ)という選手のことは調べた。だってアフリカのチャンピオンだなんてカッコいいじゃないか。それと扇久保博正のことも調べた。UFCに来る直前の堀口(恭司)戦を見たよ(2013年3月16日、修斗世界フェザー級戦)」

 夏休みを満喫していたジョンソンには、番組を見て、対戦相手の研究をする時間はたっぷりあったはずだ。しかし、ジョンソンはどこか興味なさげだ。

「それ以外の選手のことはそんなに調べていない。僕の仕事はスカウトじゃないからね。俗に、“敗者は勝者に執着するが、勝者は自分に執着する”というけど、僕は試合当日に最高の状態で試合に臨めるよう、自分のことで精いっぱいなだけなんだよ」

まずはタイトル連続防衛新記録樹立が先決

連続防衛記録を更新することが先決と話すジョンソン。2017年に記録更新と奈るか!? 【Zuffa LLC】

 今やフライ級に敵なしのジョンソンに対しては、階級を上げてバンタム級でドミニク・クルーズ(米国)とのチャンピオン対決を待望する声も上がってきている(※2011年10月、まだフライ級がなかった時代に、ジョンソンはクルーズとのバンタム級戦で判定負けを喫した)。しかし、ジョンソンはまずはフライ級王者として、アンデウソン・シウバの持つ連続防衛記録を更新することが先決だとしている。このことはジョンソンが4年前にチャンピオンになったころからの目標だったのだ。

「できれば今回の試合で勝利を収めて、2017年をすばらしい1年にしたいね」とジョンソンは語っている。

 もっとも、この記録更新を成し遂げたとしても、ジョンソンが突然、トラッシュトーカーに変ぼうしてビッグファイトを要求したりすることはなさそうだ。

「この間ある人から言われた。MMAには2つの側面がある。エンタメビジネスの面と、ピュアスポーツの面だ。僕はピュアスポーツ部門担当だと思っている。だって僕はいつでも、上位のトップコンテンダーとの試合を淡々と引き受けるタイプだからだ。UFCから連絡があるまでは、僕としては黙々とジムで練習するだけだ」

「自分の身体が健康で、必要なパフォーマンスができるうちに、まず僕はUFC記録を塗り替える。そこから先はお楽しみだよね」
(文:高橋テツヤ)

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