アメリカズカップ福岡大会は大盛況で幕 アジア初開催にファン1万人以上集結

中山智

日本セーリング史に残る記念レース

レース海面はヤフオク!ドーム前の地行浜沖。会場には日本各地からセーリングファンが訪れた 【中山智】

「じーんときた。感無量。日本の海でプレーできるなんて夢のまた夢のこと。本当にうれしい」。ソフトバンク・チーム・ジャパンの早福和彦総監督兼選手がそう語るほど、日本のセーリング史にも残る記念すべきレース、ルイ・ヴィトン・アメリカズカップ・ワールドシリーズ福岡大会が11月18日から3日間にわたって開催された。

 日本は四方を海に囲まれた島国かつ海洋国ながらセーリング人気はあまり高くなく、ここまで大規模で興業的な側面をもつプロのセーリングレースが企画されるのは初めてと言える。

迫力あるフォイリングを披露

初日はフォイリング可能な風速となり、迫力あるレースが展開された 【中山智】

 前例のない状態でスタートした福岡大会だが、地元の協力もあり本番レースが行われた19日からの2日間で計1万3000人以上の観客が集結。大盛況だったのは陸上だけでなく、船から観戦しようと全国から福岡まで航海してきた約170艇がレース海面に集まった。

 天候にも恵まれ初日は風速10ノット前後まで風が吹いたことから、各チームとも艇体を浮かせて帆走する迫力あるフォイリングを披露。地上波でのテレビ放送もあり、コアなセーリングファンだけでなく、セーリングになじみのないスポーツファンへのアピールにもなったことだろう。セーリング競技の認知度を高める大きなイベントとなった。

 イベントとしては大成功に終わった福岡大会だが、ソフトバンク・チーム・ジャパンとしては、ミスやトラブルが続きフラストレーションのたまるレース結果となった。

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著者プロフィール

1974年生まれ。本業はITやモバイル業界をメインに取材・執筆をしているフリーライター。海外取材も多く、気になるイベントはフットワーク軽く出かけるのがモットー。大学在学中はヨット部に所属し、卒業後もコーチとしてセーリング競技に携わっている。アメリカズカップのリポートをとおして、セーリング競技に馴染みのない人たちへヨットの認知度アップを狙っている

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