真央、佳菜子にも勝ち目はある 10代若手にはないベテランの味を
フランス杯では9位に沈むなど不調に苦しむ浅田真央(右)。「すべてが失われた」と弱気な発言も飛び出た 【坂本清】
「すべてが失われた」フランス杯
そんな激戦の中、26歳を迎えた浅田はジャンプが低迷し、スケートアメリカは6位、フランス杯は9位に終わった。フランス杯後は涙も見せ、「すべてが失われた。スケーティングもジャンプも、全部がしっくり来ていない」とこぼした。長年の疲労による左ひざ痛が原因で、練習量を抑えざるを得ないのが現状。練習量が不足しているために、身体面ではジャンプの調子が上がらず、精神面では自信を失ってしまったのだ。気持ちが不安なまま演技しているため、本来のスケーティングの良さや円熟味を増した表現も、まだ表に出ず“秘めて”いる状況だ。
またこれだけ10代が活躍すると、22歳の村上でさえ“ベテラン”組に分類される。現代舞踏家に演技のブラッシュアップを依頼するなど、表現面でも自分のスタイルを追求し、試行錯誤を続けてきた。しかし今季は「3回転+3回転」がなかなかクリーンに決まらず、磨いてきた表現力をアピールする段階に至っていない。
22歳ながら“ベテラン”組に分類される村上佳菜子。ジャンプにミスが出ており、磨いてきた表現力を発揮する段階に至っていない 【坂本清】
「自分で望んで復帰したので、もう1度その気持ちを奮い立たせてやりたい。とにかく全日本でやるしかない。最後の最後までやるだけです」
同じく村上も諦めてはいない。11月7日に22歳を迎えると、自身のウェブサイトでこうコメントした。
「全日本選手権では自分のすべてを出し切って、次こそは皆さんの心に残るような演技ができるように頑張ります」