伝統や経験、監督の采配を考察する JリーグCS出場3クラブをデータで分析
浦和と鹿島に優勝を阻まれてきた川崎
2016年の年間順位はCSの結果によって変動する可能性もある 【データおよび画像提供:データスタジアム】
3クラブの中で最も上下動が激しいのが浦和だ。99年にはJ2降格を経験し、06年にはギド・ブッフバルト監督のもとリーグ優勝を果たした。その後も11年には最終節で残留を決めるなど成績がなかなか安定しなかったが、12年にミハイロ・ペトロヴィッチ監督が就任して以降は「3−4−2−1」をベースとした一貫したチーム作りで上位を維持している。それでもわずかにタイトルに届かない日々が続いていたが、今年はYBCルヴァンカップを制して9年ぶりとなるタイトルを獲得。就任5季目となるミシャ(ペトロヴィッチ監督の愛称)のもと、クラブ2回目のリーグタイトル獲得を目指す。
99年にJリーグへ参入した川崎はこれまでリーグ2位を3度経験しているがタイトルはなし。06年は浦和、08、09年はいずれも鹿島に優勝を阻まれており、今年のCSを争う2クラブとの因縁を感じさせる。12年途中に就任して以降、攻撃的なスタイルを貫いてきた風間八宏監督のもと、悲願のタイトル獲得なるか。
J1優勝経験者が多いのは浦和
【データおよび画像提供:データスタジアム】
優勝経験者の「数」では浦和におよばない鹿島だが、それぞれ6回ずつ優勝を経験している小笠原満男と曽ヶ端準の両ベテランを擁する。特に小笠原は01年のCS第2戦でVゴールとなる直接FKを決めるなど実績も十分だ。クラブの伝統とタイトルの重みを知る男たちが今年のCSでも勝負強さを発揮するか。
川崎は10年に名古屋グランパスに所属していた橋本晃司のみとJ1優勝経験では2クラブに劣る。しかし、今季加入したGKチョン・ソンリョンは城南FC時代の10年にACL(AFCチャンピオンズリーグ)で頂点まで登り詰めた。アジアを制した守護神の経験値に期待がかかる。