錦織が示した日本テニスの可能性
96年ぶりメダルはGS制覇に通ずる
自身3度目の五輪出場にしてついにメダルを獲得した錦織
自身3度目の五輪出場にしてついにメダルを獲得した錦織【写真:中西祐介/アフロスポーツ】

 3位決定戦で第3シードのラファエル・ナダル(スペイン)と対戦した錦織圭(日清食品)は、6−2、6−7、6−3のフルセット、セットカウント2−1で勝利し、銅メダルを手にした。

 1920年のアントワープ大会(ベルギー)男子シングルスで銀メダルに輝いた熊谷一弥以来という96年ぶりのメダルを日本にもたらした錦織の戦いぶりを日本体育大テニス部監督の森井大治氏に解説してもらった。

サービスを修正できたことが勝利の要因

――錦織選手、ナダルを下して銅メダルです。ズバリ勝因は?


 サービスをしっかり修正してきたこと。準決勝の(アンディ・)マリー(イギリス)戦に比べるとサービスが格段に良かったです。敗戦したとはいえ、ストロークは悪くなかったのでサービスの改善ができたことが一番の勝因ですね。


――データを見ると、ファーストサービスの成功率は58%、第1セットに至っては45%と決して高い数字ではありませんでした。サービスが改善されたというのは?


 確かに確率だけを見ればそこまで良い数字ではないかもしれません。しかし、確率よりもサービスが入った次のプレー、ラリーで押せるサーブを打っているかの方が重要です。錦織選手の生命線はなんと言ってもストローク戦になりますから、確率だけを気にしてサービスを入れにいってしまうと、相手を楽にプレーさせることになってしまいます。今日は質の良いサービスが決まっていました。エースの数も7本ありましたから、攻めていた結果とも言えるでしょう。ナダル相手でもリターンで主導権を握られる場面がほとんどなかったのは、サービスで厳しいところを攻めた結果だと思います。


――勝利のポイントとなったのはどんなプレーでしょう?


 サービスが好調だったことで、第2セット、5−2とナダルを追い込んだ場面まではプレーの組み立て、展開が素晴らしかったですよね。終始、自分のペースで打ち合っていましたし、読み通りにボールが来ていました。その証拠に錦織選手がナダル選手のショットに逆を突かれて慌てるシーンはまったくといっていいほどありませんでした。

大塚一樹

スポーツライター。育成年代から欧州サッカーまで幅広く取材活動を行う。またサッカーに限らず、多種多様な分野の執筆、企画、編集にも携わっており、編著に『欧州サッカー6大リーグパーフェクト監督名鑑』、全日本女子バレーボールチームの参謀・渡辺啓太アナリストの『なぜ全日本女子バレーは世界と互角に戦えるのか』を構成。

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