レースだけではないル・マンの楽しみ方 多種多様なアトラクションを実際に体験
ル・マンのコースをヴァーチャルに体験
ACOが運営するブース。男性が集まるのがバーチャルルームと呼ばれるブースだ 【田口浩次】
まず男性をターゲットにしたブースはVIRTUAL ROOMとある。入口のパソコンに名前やメールアドレスなどを打ち込むと、自分の名前が入ったシールが出てくる。このシールにはQRコードが表示されていて、入退場や遊ぶときには、これがチケットとなるわけだ。中に入ると、大きなモニターに現在走行中の映像が流れ、その奥にはXBOXのゲーム機が並び、さらにシートに座るタイプのシミュレーター、そして、これが目玉なのだが、VRに対応したスマホを使い、GTEクラスのコルベットCR7助手的部分に360度カメラを設置、自分が助手席に座った気分でル・マンのコース1周を楽しめるというもの。
コルベットC7Rによるル・マン走行に同乗しているかのような体験ができるVR。これは360度カメラとVRの特性を見事に生かしたアトラクションだった。他のメーカーもみんなやってもらいたい 【田口浩次】
その感想は……いやはや女の子の言葉に嘘はなかった。ディズニーランドの人気アトラクションと一緒で、どんなに待っても体験すべき代物だ。写真に収められないが残念だが、助手席部分に設置した360度カメラでは、自分が見た方向の景色を見ることができる。
まさに助手席にいる気分で、LMP1やLMP2クラスに抜かれると、その抜いていったマシンがどんなマシンで誰がドライバーなのか等も、映像に合成する形で出てくる。ちょうど、映画『アイアンマン』などで、ヘッドアップディスプレイのごとく情報が表示されるシーンのようだ。ヘッドホンをかけているので、音もコクピット内で聞けるものだし、ユノディエールの直線で時速300キロ前後でLMP1が抜いていく姿や、後ろからパッシングされる感じ、そしてドライバーのステアリングさばきなど、何周でも走ってもらいたいと思えるものだった。これなら2時間待ってでも、また体験したい!
男性を狙ったバーチャルルームと違って、くつろいでもらうことを目的としたつくりの“女の館”。正直、男性もここでゆっくりしたいと願うような作りだった 【田口浩次】
ここまで入場料だけで楽しめてしまうとは……。こうなってくると、レースそっちのけで各ブースを満喫したくなる。コース内を走行するマシンたちの爆音は、よいBGMという感じだ。
1966年に表彰台を独占したフォードGT40の姿を再現した展示 【田口浩次】
トヨタはアクティビティが充実
5月28〜29日に開催されたニュルブルクリンク24時間レースに出場したC-HR RACINGのマシンも展示。開発のベースとなったC-HRは秋に日本での市販が予定されている 【田口浩次】
まず、タイヤ交換チャレンジ。本物のTS040マシンが展示されていて、本物のタイヤでタイヤ交換にチャレンジし、そのタイムを競うというもの。その横には3画面を並べた豪華なシミュレーター。さらに奥には、合成用グリーンバックの前に立って撮影すると、ドライバーたちとの合成写真が撮影できるフォトブース。そして、TS050のコクピットを再現したシミュレーター。そのシミュレーターを待っている間に楽しめる、ドライバーの反射神経を計測する機械もある。また、実車の86をそのままシミュレーターとしたものがあり、なんと油圧でステアリング操作やコーナリングGに応じてマシンが動く。最後にブースの真ん中には、5月に開催されたニュルブルクリンク24時間レースに挑戦したトヨタのC−HRコンセプトのレーシングカーが展示してあった。このC−HRは秋に日本での販売が始まり、その後世界中で販売が予定されている。
数々のアクティビティに挑戦すると貰える抽選券。抽選はデジタルのルーレート版をタッチしてまわすというもの。観ているときの最大の当たりはVIP向けトヨタホスピタリティへの入場パスだった 【田口浩次】
このエリアのブースを巡るだけでも、すべて体験していたら半日以上は楽しめそうで、まさにテーマパークのよう。そのほとんどが無料だ。しかし、本当に驚きなのは、このブースの数々は、広いル・マン24時間レースのサーキット内において、ほんの一部ということ。じつは、最終コーナー手前のエリアには昔ながらの遊園地エリアであったり、ダンロップカーブの先にはまたコンセプトが違うブースが並んでエリアがある。
この後もそうしたエリアにも訪れて、入場券だけで楽しめるブースの数々を紹介していきたい。
<次ページで各施設やブースなどを写真で紹介>