“カー娘”銀メダルの鍵は「新スイープ」 エース本橋休養が若手飛躍の起爆剤に
銀メダル獲得の快挙を成し遂げたLS北見。左から藤澤、吉田知、鈴木、吉田夕、本橋、リンド・コーチ 【写真は共同】
今大会で2018年平昌五輪に出場するための五輪ポイントを12点獲得。14年ソチ五輪では韓国が9ポイントで出場を果たしており、日本女子は来季の世界選手権を待たずに、平昌への切符を大きく手繰り寄せた。
ハイレベルな戦いを展開
準決勝は、スキップのアンナ・シドロワのショットがキレキレだったロシアを7−5で堂々と撃破。スイスとの決勝は6−9で敗れはしたが、8エンドの藤澤のヒット&ロール(=相手のストーンをはじき出して自分のストーンを良い位置に移動させる)や9エンドの藤澤のフリーズ(=相手のストーンにぴたりと付ける)の連発など、繊細なコントロールが必要なハイレベルな戦いを繰り広げた。
エース本橋の休養をチャンスに
ところが、長野五輪代表で鋭いテレビ解説でもおなじみの敦賀信人さんは、むしろそれが、24歳の鈴木、吉田知、藤澤、22歳の吉田夕という若い4人を成長させたのだと指摘する。
「今まで本橋さんに頼っていたメンバーが、今季は彼女が出られないと分かってからは、彼女がいないから悪くなったとか、彼女がいたからここまで来られたと言われたくない、という強い気持ちが生まれたと思うんですよね。彼女が少し離れたことによって逆にチームが一つになったと思います」
本橋からの脱依存という成果は頼もしい。だが、この成長ぶりも、バンクーバー五輪の後に本橋が地元の北海道北見市常呂町に戻って結成したLS北見に、5人が集ったからこそのことなのだ。