3度目レジェンド王座へ――長井満也の“覚悟”「関本戦は格闘技キャリア25年の集大成に」
関本戦は異質なストロングスタイルがぶつかり合う
格闘技キャリア25年を迎える長井は「自分のひとつの集大成」と気合十分 【(C)リアルジャパン】
ボクがチャンピオンだったときにスーパー・タイガーと防衛戦をやったときがメインでしたね。佐山さんが大仁田さんとやった後楽園大会。そのとき以来だと思います。
――この25年間でプロレス団体、格闘技団体、実にさまざまな団体で試合をしてきた長井選手ですが、リアルジャパンに上がる意味とは?
そうですね、ボクはプロレスが好きで見てたけど、自分もなりたいと思わせてくれたのが初代タイガーマスク。やっぱり初代タイガーマスクがいなかったらプロレスラーになっていないと思うし、佐山さんがキックを使ったからボクも使ってると思う。だからこの25年というか、むしろ12歳のときからずっとボクのなかで佐山さんを追い続けてると思う。すごく不思議な感じです。ボクは北海道の田舎にいた、ただのプロレスファンだったのに、それが実際にプロレスラーになれて、しかも憧れてた人がやってる団体に出て、そのメインでベルトに挑戦するという、なんかこう不思議といったらあれですけど、12歳のときからずっと追いかけ続けたものを追いかけ続けてここにたどり着いてるのかなって感じはします。
――もともと格闘技のキャリアはスーパー・タイガー・ジムから始まってるんですよね。
それが初めてですね。まったくホントのド素人で、学生時代に格闘技なんてやったことないんで。それがたしか17歳のときですか。もう30年になるんですね。
――デビューにたどり着くまで団体が変わったりもしました。デビュー後もプロレス、格闘技、全方位のリングに上がってきました。次のタイトル戦は、ある意味でキャリアの集大成でもあるのでは?
そうですね。ボクが格闘技を始めて佐山さんのところで手ほどきを受けて、リングスでデビューしたり、ほかのプロレス団体に上がったりしましたけど、自分のひとつの集大成みたいなものですね。それをリングの上で出せられればと思います。
――リアルジャパンはストロングスタイルの復興を標榜しています。長井選手の考えるストロングスタイルとはどういうものですか?
どうしてもこうリアルジャパンで佐山さんがストロングスタイルというのを口にするとやっぱりみんなUWFスタイル、あれに傾いていく(勘違いする)と思うんですけど、でもやっぱりそれだけじゃなくて、佐山さんのお言葉を聞くとスペクタクルじゃないとダメだし、飛んだり跳ねたりでもそこに意味のある、大きな会場にいるファンを惹きつけるようなものもないといけないという感じがあるんですよね。佐山さんのスタイルってただUWFスタイルを黙々とやるのでは全くなく、「ストロングスタイルの闘いを見せるせるもの」。自己満足に終わらないファンの気持ちというのか惹きつける動きだったりがあると思うので、そのへんってすごく難しいのかなと思いますね。たぶん選手一人ひとりによっても解釈は違うと思うし、ボクは残念ながら佐山さんみたいなセンスも運動能力もないですけど、やっぱりこうタイガーマスク時代から見てきたボクのなかの佐山さんの言うストロングスタイルとはこういうことなんじゃないかなというのをこの試合で出せられればと思いますね。
――いまセンスも運動能力もないとおっしゃいましたが、両方なければ25年も現役でできませんよ。しかもいろんな団体に出ている。U系もそうだし、純粋なプロレス、エンターテインメント性の高いプロレスも出ている。実に幅が広いです。
う〜ん、それだけにストロングスタイルってすごく難しい言葉ですね。
――関本選手の場合はストロングBJと呼ばれる大日本のストロングスタイル。それとUWFの系統からやってきた長井選手がぶつかる。そこが興味深いところでもありますね。
やっぱりこう、異質っていうんですか。異質の者同士がリングでぶつかり、お互いの個性がぶつかり合うのがおもしろいと思うんですよね。関本君は大日本プロレスのスタイルというんですか、あれは俗に言うU系ではないですけど、佐山さんもすごい認めてるじゃないですか。そういうところってあるんじゃないかと思いますね。
――ストロングスタイルのなかでも異質なストロングスタイルがぶつかり合う。
それがおもしろいんだと思いますよ、やっぱり。
――そこが大きな見どころですね。
ボクがいまの関本君と正面衝突したらボクのほうが木っ端微塵にされてしまうと思うので、そこはボクのキャリアを使ってボクの持ち味の勝負どころまでどうやってもっていくかだと思いますね。
――王者の関本選手にとっても試練だと思います。キャリアではるかに上回る長井選手。しかも船木選手、長井選手という大日本では対戦できないストロングスタイルとの真っ向勝負が続きます。
彼はそれだけのことができる技量がありますよ。
――だからこそリアルジャパンでも闘っている。
そうだと思いますね。
チャンピオンになったら挑戦者を船木さんにしたい
関本戦は大日本のストロングスタイルとU系のストロングスタイルがぶつかり合う試合に 【(C)リアルジャパン】
あ、そうなんですか。
――いまのところ、スーパー・タイガー選手と長井選手がともに2回ベルトを巻いています。ベルトを取ったらなにをしたいですか?
ボクの大きな野望では、ボクがチャンピオンになって最初の挑戦者を船木さんにしたいなと。どうですか?
――それは見てみたいです。
ボクは20歳のとき初めて船木さんとUWFで逢って、いろいろ分かれて20数年ぶりに、2年前(2014年)の9月18日にリアルジャパンの後楽園で試合をしたんですよ。船木さんと佐山さんが組んで、ボクとAKIRAさんで闘ったんです。あのときボク、船木さんと初めて試合をしたんですよね。まだシングルで船木さんと試合をしたことがないんです。リアルジャパンのリングでタイトルマッチで船木さんと初シングルができたらおもしろいと、その先のことを思ってます。
――船木、関本、長井というレジェンド王座をめぐるトライアングルができれば。
そうですね。そこにスーパー・タイガーが入ってきてくれればさらにおもしろいなと思いますね。
――そうなればリアルジャパンがより活性化されますね。
ハイ。
――実現のためにも次のタイトルマッチは大勝負になりますね。
大勝負ですね。それがホントにできたらすごくいいですね。船木さんとのシングルってやる機会があるとしたらリアルジャパンのリングくらいしかないと思うので、タイトルマッチという最高の舞台で初めてのシングルになれば、すごくいいなと思ってます。
――なにもなくカードを組むよりもどちらかが王者でどちらかが挑戦者というシチュエーションでやりたいですよね。
そうなったら最高ですね。
――そうでもないとなかなか実現できないカードかもしれません。
なんか知らないうちにやってたんだというよりは、ここまでシングルが一度もないんだったらリアルジャパンの後楽園ホールのメインでチャンピオンシップをかけての初シングルになったらいいなと思ってます。
――おふたりのキャリアを考えてもその方がドラマチックですよね。
ハイ。
――そのためにも関本戦は勝たないといけない。
頑張ります!