陸上界の“金の卵”が海外を目指す理由 16歳・高松智美ムセンビの米国挑戦記
若手の海外派遣に力を入れ始めた競技団体の1つが日本陸上競技連盟だ。2015年度より安藤スポーツ・食文化振興財団とともに「安藤財団グローバルチャレンジプロジェクト(グロチャレ)」を実施。2020年に活躍が期待される若手選手の海外活動を支援している。今春は高校生〜大学院生までの9選手が短期間の遠征として米国やイギリス、ドイツなどに派遣されている。
スポーツナビでは、参加選手に手記を依頼。派遣直後と終了時での心境の変化をお伝えする。今回は、日本陸連が東京五輪での活躍を期待し選出した“ダイヤモンドアスリート”で、未来のメダル候補でもある16歳の長距離選手、高松智美ムセンビ(大阪薫英女学院高)の生の声を紹介する。
16歳で初めての海外遠征
ホストファミリーと滞在する高松(左)。娘さんともすっかり仲良し 【写真提供:高松智美ムセンビ】
・派遣先:米国ニューメキシコ州アルバカーキ
・期間:3月11日〜4月6日
海外で練習をするのは、レースも含めても今回が初めてです。でも、みんな優しくて、食事もバランスを考えて食べられているので、困ることはありません。英語がまだまだうまくないので、自分が何をしたいのかがうまく伝わるのかが心配でしたが、今のところは大丈夫です。
これから現地の高校に少しだけ通わせていただくことになっていて、そこで練習に参加させてもらったり、大学チームの選手とも個別に練習させてもらう予定です。今は高校での練習に合わせて、朝6時には起床して練習に行き、アップしてから30分、クイックジョッグみたいな形でやっています。午後はまだ練習はしていなくて、練習をしている公園を見たり、ホストマザーがコーチを務めるバスケットボールのアカデミーで、バスケットをやらせてもらいました。
米国の子どもたちに混じってバスケットボールにチャレンジ 【写真提供:高松智美ムセンビ】
日本とは何が違うのか学びたい
高校のクラスメートとはコミュニケーションをしっかり取って、日本と米国とで何が違うのか、交流できたらいいなと思います。メインの練習に入るまでにどういう練習をするのかも気になりますし、プラスでどういうワークアウトをするのかも違うと思うので、そこはしっかり学んでいきたいと思います。
朝練習をこなす高松。この後、現地の高校で本格的な練習に臨む 【写真提供:高松智美ムセンビ】
こうやって経験をさせてもらっていますし、しっかりいろいろなことを吸収しようと思っているので、今後がすごく楽しみです。まずは英語をもっと活用できるようになって、日本に帰ってきてからのトラックシーズンで周りの人からも「少し変わったね」と言われるくらい、しっかりスピードと積極的な走りを身につけられるようにしてきます!
※後編は3月末に掲載予定です。
プロフィール
2000年2月23日生まれ。大阪薫英女学院中3年時に国体少年女子B1500メートル3位、ジュニアオリンピックA女子3000メートル優勝。15年に大阪薫英女学院高に進学。同年12月の全国高校駅伝では1年生ながら出場し、2区区間4位の好走。日本陸連が東京五輪での活躍を期待し選出した“ダイヤモンドアスリート”にも認定され、未来のメダル候補として期待されている。2学年上の姉・望ムセンビとともに“ムセンビ姉妹”としても知られている。
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