3.11東京大会で示す仙台女子プロレスの勢い 里村明衣子「その日は東北の代表として」
朱里とのシングルマッチは期待大
里村の対戦相手は朱里。キックボクシングから総合転向を決め、今一番ノリに乗っている選手である 【田栗かおる】
戦ってみて、その選手に魅力を感じたり、この選手は調子がいいなと感じた選手と、タイミング良く対戦しておきたいと思っています。それは、こっちが捕まえていかないと、選手のコンディションがそのままではないので。朱里は今が一番いいんじゃないですかね。これからどんどん良くなっていく選手だと思います。
2足のわらじで分けているとは思いますが、私はプロレスラーとしか見ていないです。もしプロレスの間じゃないスタイルで来るなら、それも受けて立つしかないですね。
――2月の大阪大会ではタッグマッチながら直接対戦しています。その時の印象は?
すごく調子がいいですね。こういう選手を待っていたという、久しぶりにいい選手と再会できた感じです。
――元々、里村選手自身が打撃系を得意とするスタイルですが、朱里選手もそれは得意分野でもあると思います。その朱里選手の攻撃を受けて、何か感じるものはありましたか?
キックのガードやキャッチは一流ですよね。ガードの上への1発にしても、うまくパシッと当たらない。そういうせめぎ合いには、お客さんも緊張感を感じると思います。でも、戦いというのは、そもそもそこなんですよね。
――そのようなせめぎ合いがある戦いで上回れるかどうかという期待感が大きい?
そうですね。朱里が今後、タイトル戦線を視野に入れて向かってくるのかも気になるところです。私がチャンピオンなので、防衛戦をやりたいと思ったら指名すると思いますし、向こうが挑戦してくるかどうかは今回の試合で決まるでしょう。
震災を経験した者としてどんどん発信していく
震災の記憶を風化させない。その強い気持ちを東京の人にも知ってもらう 【前島康人】
橋本は今、勢いがあって、体を見れば強さが分かります。彼女の体の強さはレスリングから積み重ねてきた強さであり、これからプロレスでの場数を踏んでいけば、相当な短いスパンでのし上がってくると思います。
――それこそ、今回アジャ選手とタッグを組む松本浩代選手と大阪大会で引き分けています。
これがすごくいい試合でした。「やっぱり橋本はすごいな」と思わせる試合でした。本当に調子づいていると思います。
――カサンドラ選手は志田光選手とのシングルマッチ、岩田選手はDIANAの田中盟子選手&Sareee選手の『スト魂』とタッグで対戦します。
カサンドラについては、いつでもどこでも自分が目立つということを狙っています。自分のポジションを分かっているので、彼はどこでも目を引くことを狙っている。それを見せてくると思います。
岩田に関しては、まったく勝ち星がないので、そろそろ結果を出さないとと。今は本人が一番焦っていると思います。なので、まずは白星を狙ってくると思います。
――最後になりますが、今回の大会では仙台女子として、どんな戦いを見せたいですか?
3月11日の大会というのは、やらなければやらないで、お客様が求めている大会ではなく、ある意味自己満足なのかもしれない。でも、こういうことは経験した者たちがどんどん発信していかないといけない。それくらい、歴史の中でも悲劇的な出来事でした。そこで気持ちに共感してくれたり、少しでも5年前のことを思い出してもらえたらと思います。
先日、石巻で復興支援大会をやりました。多分、東京の方からすると何でこの時期なのかと思うのが大半でしょうが、でもその意味合いは、経験した者が発信するから分かってもらえることだと思います。
震災の記憶を風化させない。その気持ちを東京に届けるということと同時に、とにかくセンダイガールズの今年は、勢いが違うぞというところを見せたいです。
(取材・文:尾柴広紀/スポーツナビ)
3月11日(金)東京・新宿FACE 開場18:30 開始19:00
<タッグマッチ>
岩田美香、アレックス・リー
田中盟子、Sareee(スド魂/DIANA)
<シングルマッチ>
KAORU
アイガー
<シングルマッチ>
カサンドラ宮城
志田光
<タッグマッチ>
DASH・チサコ、橋本千紘
アジャコング、松本浩代
<スペシャルシングルマッチ>
里村明衣子
朱里