鮮烈マカヒキ! 2歳王者撃破し皐月賞王手 父ディープと同じ足跡で無敗一冠へ
敗戦のミルコ「次は良くなる」
今回敗れたリオンディーズ(中)、エアスピネル(右)だが、もちろん皐月賞での逆転を狙っている 【スポーツナビ】
「今日はとにかく元気が良すぎましたね。それで引っかかってしまいました」
自身としても前日のGIIIチューリップ賞に続く惜敗に悔しそうながらも、その表情に暗さはなく、次戦へ向けすでに気持ちは切り替わっている。それは「次は良くなるよ!」という言葉にも大きく表れているし、勝ったルメールにしても「今日のリオンディーズは休み明けで、ペースも速かったから残り500メートルで疲れていた」と分析。両ジョッキーともに今回の結果でマカヒキが頭1つ抜け出したという意識はなく、文字通り“次こそが本当の勝負だ”と言わんばかりに気持ちを引き締めている。この敗戦でリオンディーズの評価を落とす必要は1つもないだろう。
3着エアスピネルはどうか? 朝日杯に続きこの弥生賞でも“完敗”に映る結果。前半に少し引っかかっていたとはいえ、普通の年なら朝日杯、弥生賞ともに連勝していておかしくない競馬だけに、やはり上位2頭が恐ろしく強いと言わざるを得ない。では、本番でも勝ち目はないのだろうか? いや、笹田調教師が言葉に力をこめて逆転を誓った。
「今回は届きませんでしたが、調教を工夫して立て直していけば、今回の差は詰められるとジョッキー(武豊)とも話しました。調教の工夫? それは秘密です(笑)」
笹田調教師といえば、あの名伯楽・伊藤雄二元調教師の右腕としてウイニングチケット、エアグルーヴら数多くのGI馬の調教をつけてきた実績がある。GIを勝つノウハウ、GI馬を育てる術は熟知しているというわけだ。その気鋭のトレーナーの執念仕上げは本番でも無視できるはずがない。
“史上最高”の皐月賞へ
(取材・文:森永淳洋/スポーツナビ)