鮮烈マカヒキ! 2歳王者撃破し皐月賞王手 父ディープと同じ足跡で無敗一冠へ

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敗戦のミルコ「次は良くなる」

今回敗れたリオンディーズ(中)、エアスピネル(右)だが、もちろん皐月賞での逆転を狙っている 【スポーツナビ】

 一方、敗れた2頭にも触れなければならない。横綱相撲の堂々たる競馬を見せた2歳王者リオンディーズだったが、あと残り数完歩で逆転を許してしまった。ただ、このクビ差の敗戦は昨年12月の朝日杯FS以来となる3カ月ぶりの実戦が影響した模様だ。ミルコが言う。

「今日はとにかく元気が良すぎましたね。それで引っかかってしまいました」

 自身としても前日のGIIIチューリップ賞に続く惜敗に悔しそうながらも、その表情に暗さはなく、次戦へ向けすでに気持ちは切り替わっている。それは「次は良くなるよ!」という言葉にも大きく表れているし、勝ったルメールにしても「今日のリオンディーズは休み明けで、ペースも速かったから残り500メートルで疲れていた」と分析。両ジョッキーともに今回の結果でマカヒキが頭1つ抜け出したという意識はなく、文字通り“次こそが本当の勝負だ”と言わんばかりに気持ちを引き締めている。この敗戦でリオンディーズの評価を落とす必要は1つもないだろう。

 3着エアスピネルはどうか? 朝日杯に続きこの弥生賞でも“完敗”に映る結果。前半に少し引っかかっていたとはいえ、普通の年なら朝日杯、弥生賞ともに連勝していておかしくない競馬だけに、やはり上位2頭が恐ろしく強いと言わざるを得ない。では、本番でも勝ち目はないのだろうか? いや、笹田調教師が言葉に力をこめて逆転を誓った。

「今回は届きませんでしたが、調教を工夫して立て直していけば、今回の差は詰められるとジョッキー(武豊)とも話しました。調教の工夫? それは秘密です(笑)」

 笹田調教師といえば、あの名伯楽・伊藤雄二元調教師の右腕としてウイニングチケット、エアグルーヴら数多くのGI馬の調教をつけてきた実績がある。GIを勝つノウハウ、GI馬を育てる術は熟知しているというわけだ。その気鋭のトレーナーの執念仕上げは本番でも無視できるはずがない。

“史上最高”の皐月賞へ

 そんなことを考えていると、ジョッキーの動向を含め有力馬各陣営の一挙手一投足に目が離せなくなってきた。いや、今回の上位馬だけじゃない。まだトライアルや前哨戦が3月19日若葉S、3月20日スプリングS、3月26日毎日杯と残っていることを考えると、弥生賞上位3頭+サトノダイヤモンドに対抗しうる新たな有力候補が登場する可能性だって十分ある。もう今からワクワクが止まらないのは、競馬ファンなら誰もが同じ気持ちだろう。“史上最高”になりうる4月17日の皐月賞まで、あと6週間だ。

(取材・文:森永淳洋/スポーツナビ)

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