豪州の“対策”に力を封じられたなでしこ 痛い初戦の勝ち点0、中1日で韓国戦へ
後半には追加点を奪うチャンスが訪れたが……
後半33分にとどめを刺されたなでしこジャパン。試合は決した 【写真:長田洋平/アフロスポーツ】
前半25分、ペナルティーエリア付近に選手が固まっていた日本は、クリアボールを相手に拾われたところから失点。41分には阪口の横パスがレフェリーの体に当たり、こぼれ球を相手に拾われ2失点目。そこから前半終了間際に大儀見優季のゴールで1点を返したが、「さあ反撃」と畳み掛けたいところをハーフタイムで遮られたのも、振り返ればアンラッキーだった。
後半には阪口、宮間が決定的なシュートを放つなど、なでしこにも追加点を奪うチャンスが訪れた。後半のシュート数10本という数字が示す通り、日本は敵陣でボールをつなぐことができれば、相手を脅かすことができる。特にサイドに大きく開いた位置に起点を作れれば、そこからクロスと見せかけてゴール手前にもう一度起点を作ることもできた。
だが、残り時間も気になり始めた後半33分、なでしこは左サイドでおとりの動きに惑わされ、逆サイドではマークから逃げていく相手の動きに対応できず、とどめを刺された。
展開を先読みし、ベストなプレーの選択を
中1日で韓国戦が行われる。試合後、宮間は「修正よりも、自分たちが今までやってきたことを信じることのほうが、より大切かもしれない」と語った 【写真:長田洋平/アフロスポーツ】
おそらく今回も、2敗したチームが2位以内に入ることは難しい。日本を破るチームがもう一つ現れれば、そのチームとオーストラリアがリオへ行くことになるだろう。なお、日本戦以外の初日の結果は、中国がベトナムに2−0で勝利、韓国対北朝鮮は1−1の引き分けとなった。
試合後に宮間は、次の韓国戦までの中1日でチームをどう修正するかと問われると、「修正よりも、自分たちが今までやってきたことを信じることのほうが、より大切かもしれない」といった主旨の発言をした。このコメントは強がりでなければ、「敗因は実力不足ではなく、実力を出せない試合運びをしてしまったこと」という意味に捉えられる。
宮間の意思をくめば、なでしこは次戦以降、試合をやりながら相手の意図を察知し、展開を先読みしてベストなプレーを選択することが、4大会連続となる五輪への道を切り開く手だてとなる。攻略の糸口さえ見つけられれば、あとは実行するだけで結果がついてくる。