永井が「自分らしさ」を求め選択した11 群馬の背番号にまつわるストーリー
与えられた「背番号9」、浦和時代に感じたジレンマ
永井雄一郎は昨季の36から11へと背番号を変え、プロ20年目のシーズンに挑む 【(C)J.LEAGUE PHOTOS】
プロとしての区切りを迎えた永井は今年2月、37歳になった。「プロでの“成人式”を迎えることができた。でも年数にかかわらず、選手として高いクオリティーを求めていきたい。まだまだです」と照れくさそうに目尻を下げるその表情に、過去の尖っていた時の面影はなかった。
2007年のAFCチャンピオンズリーグ決勝の第2戦で、浦和レッズをアジア制覇へと導く先制点を決めるなど、歴史を切り開く数々のゴールを突き刺したストライカー。当時の背番号は9。浦和から移籍した清水エスパルスでも9を背負った。昨季までの19年間のうち、9シーズンを背番号9で過ごした。
鮮烈なゴールを決め続けた全盛期の9の残像が、そのプレースタイルとともにファンの脳裏に焼きついている。しかし本人によると、9への強いこだわりはなかったと言う。
「レッズでの9はもちろんうれしかったが、与えられた番号だった。清水に移籍したときも9が用意されていた。周囲からは『永井は9』と見られているのかもしれないが、自分から望んだわけではなかった」
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