永井が「自分らしさ」を求め選択した11 群馬の背番号にまつわるストーリー

伊藤寿学
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与えられた「背番号9」、浦和時代に感じたジレンマ

永井雄一郎は昨季の36から11へと背番号を変え、プロ20年目のシーズンに挑む 【(C)J.LEAGUE PHOTOS】

 永井雄一郎が、プロ20年目の節目に選んだ背番号は「11」だった。

 プロとしての区切りを迎えた永井は今年2月、37歳になった。「プロでの“成人式”を迎えることができた。でも年数にかかわらず、選手として高いクオリティーを求めていきたい。まだまだです」と照れくさそうに目尻を下げるその表情に、過去の尖っていた時の面影はなかった。

 2007年のAFCチャンピオンズリーグ決勝の第2戦で、浦和レッズをアジア制覇へと導く先制点を決めるなど、歴史を切り開く数々のゴールを突き刺したストライカー。当時の背番号は9。浦和から移籍した清水エスパルスでも9を背負った。昨季までの19年間のうち、9シーズンを背番号9で過ごした。

 鮮烈なゴールを決め続けた全盛期の9の残像が、そのプレースタイルとともにファンの脳裏に焼きついている。しかし本人によると、9への強いこだわりはなかったと言う。

「レッズでの9はもちろんうれしかったが、与えられた番号だった。清水に移籍したときも9が用意されていた。周囲からは『永井は9』と見られているのかもしれないが、自分から望んだわけではなかった」
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著者プロフィール

群馬県在住のライター兼エディター。編書に『前育主義』(山田耕介著)。2020年4月に著書『乾坤一擲〜ザスパクサツ群馬 奈良知彦社長人生最後の大勝負〜』を発売予定。ザスパクサツ群馬(当時ザスパ草津)が発足した02年からサッカー取材を開始。県リーグから関東リーグ、関東リーグからJFL、JFLからJ2への昇格をすべて見届ける。現在、『群馬サッカーNEWS Gマガ』編集長を務めるほか、『EL GOLAZO』、『サッカーダイジェスト』などスポーツ媒体を中心に寄稿 。好きな映画は『バック・トゥー・ザ・フューチャー 』、愛読書は『半落ち』(横山秀夫)。

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