浅田真央は再び“進化”できるのか GPファイナル最下位から得た手応えと課題
NHK杯で気がついた反省点
まさかの6位に沈んだグランプリファイナル。世界選手権への出場権を左右する日本選手権まで、残された時間は少ない 【写真:YUTAKA/アフロスポーツ】
NHK杯を振り返った浅田は、そう語った。「1戦目、2戦目は、『自分がスケートをしたくて戻ってきたんだ』って気持ちがあったんですけど、(シーズンが進んでいき)試合になるとどうしても最初にあった気持ちがなくなってきて、考えすぎたり、試合で集中しきれてなかったり」。そんな自分に気がついた。
「自分が望んで戻ってきた選手(生活)なので、自分の目指すものをただやるだけ、やるしかない」と気持ちを決め、GPファイナルでは「技術はもちろんだけど、自分が表現したいものを皆さんに見せられたら」と考えた。そのためNHK杯からGPファイナルまでの1週間は、プログラムの通し練習を重点的に行い、プログラムとしての表現を追い求めてきた。同時に、技術面の見直しとして、ジャンプ練習の量も増やした。
3位でも手応え感じたSP
ショートプログラムはジャンプの失敗が響き3位。それでも手応えを感じたという 【坂本清】
結果は69.13点で3位。3回転+3回転はいずれも回転不足と判定され、1回転となったルッツは規定違反で0点となったものの、スケート技術や曲の解釈などを採点する「プログラム構成点」は1位だった。
「1つミスをしたのが悔やまれるけど、自分の演技自体は悪くなかったので、良いスタートになりました」。トリプルアクセルに関しては、「良いジャンプを跳べました。自信を持っていいのかな」と感じた。ただ、「ルッツに関しては、今シーズンからしっかりアウト(エッジ)で跳べるようになって、ようやく自分で手応えを感じているところで、まだ練習でも確率が上がっていないので試合に出てしまうんだな」と反省の弁。
一方で、こうも考えていた。
「良いときも悪いときもある。(けれどそれが)演技には影響していないと思います。こんな感じでやればいけると分かりました」
SPでは、ある程度の手応えを感じた。