中畑DeNAが繰り返した同じ過ち 前半戦首位から急降下しBクラスに――
交流戦、後半戦で大きく失速したDeNA。12球団で最後となったCS進出へ課題は多い 【写真は共同】
ジェットコースターのようなシーズン
しかし、交流戦に入って大失速。6月3日から1引き分けをはさんで泥沼の10連敗を喫するなど、交流戦3勝14敗1分けでダントツの最下位に沈み、最大11あった貯金を見事に使い果たした。リーグ戦再開後も悪い流れを引きずって借金4を抱えたが、7月12日の東京ヤクルト戦を三浦大輔の好投で手にすると、翌13日からの本拠地での巨人3連戦で3連勝。前半戦終了時に借金を完済すると同時に、交流戦でのセ・リーグ球団の低迷ぶりも相まって、日本一に輝いた98年以来の首位ターンとなった。
「98年以来」。その言葉に、いや応なく地元の期待は高まった。しかし、夢はあっという間にしぼむ。後半戦スタートからいきなりの4連敗で一気に順位を4位まで下げると、7月20日から8月31日まで12勝24敗と低迷し、“勝負の9月”を迎える前の8月26日には、ついに最下位へと転落した。
エース不在が招いた投手陣の崩壊
昨季は久保康友の12勝6敗を筆頭に、井納翔一が11勝9敗、モスコーソが9勝9敗、山口俊が8勝5敗と、先発ローテの4投手で計40勝をマーク。長らく課題としていた「先発投手の整備」に一定のメドが立つとともに、今季はこの“先発4本柱”に対する期待が大きかった。だが、結果は誰一人としてローテを1年間守ることができず、久保の8勝がチーム最多。その久保も規定投球回数には到達せず、8月26日に出場選手登録を抹消された。
その事実は“エース不在”を物語る。現時点でセ・リーグの規定投球回到達投手は13人いるが、DeNAは0人。それにより中継ぎ陣が1年を通じてフル回転を強いられ、開幕からセットアッパーとして活躍した田中健二朗が7月16日に登録抹消、エレラも9月に離脱し、ファーム生活が続いている。
先発投手の防御率3.98、QS率(6イニング以上、自責3以内)は50.7%でともにリーグ最下位。それでも首位・ヤクルトの数字(先発防御率3.66、QS率51.1%)とはそれほど差がなかったが、そのダメージに中継ぎ陣が耐えられず、救援防御率はヤクルトの2.62に対して、DeNAは3.43(成績はすべて9月28日現在)。
山崎康晃という新守護神を手にしながら、結果的には投手陣の崩壊がV逸並びに下位転落の大きな要因となった。