新人王争いは“独走のセ”&“混パ” セは山崎康が濃厚、パは有原に期待!

ベースボール・タイムズ

開幕から守護神としてチームを支える山崎康。このまま順調にセーブ数を積み重ねれば、新人最多記録更新も濃厚だ 【写真は共同】

 2015年のプロ野球ペナントレースも、いよいよ勝負の後半戦に突入した。優勝争いが激しさを増すとともに、今後は両リーグの新人王争いへの注目も高まっていく。昨季は大瀬良大地(広島)、石川歩(千葉ロッテ)の両右腕がともに10勝8敗の成績で新人王を受賞したが、今季は果たして――。新人王レースの現状と今後の展開を予想したい。
 まずはセ・リーグ。優勝争いは史上空前の混戦模様となっているが、新人王争いは山崎康晃(横浜DeNA)が独走状態となっている。

 帝京高から亜細亜大を経てプロ入り。開幕直前に抑えに抜てきされたドラフト1位右腕は、開幕4戦目にプロ初セーブを挙げると、その後も150キロ超の直球と落差のあるツーシームを武器に守護神に君臨。4月22日の阪神戦から5月8日の巨人戦まで新人記録となる登板9試合連続セーブをマークするなど、7月27日現在で39試合に登板して2勝2敗24セーブ、防御率1.67の好成績を収めている。けがさえなければ、1990年に与田剛(中日)が記録した新人最多31セーブの更新は確実という状況。話題性でも他を大きくリードしている。

 ライバルは、高木勇人(巨人)だ。26歳、ドラフト3位で入団した遅咲きの右腕は、開幕3戦のDeNA戦に先発してプロ初先発初勝利を飾ると、プロ2試合目の登板となった阪神戦でプロ初完封をマーク。独特のスライダーと抜群の制球力で、4月を終えて4勝0敗、防御率1.50。セ・リーグの新人では、98年の小林幹英(広島)以来2人目となる3、4月度の月間MVPも受賞した。5月末から7試合白星なしのスランプに陥り、新人王レースでも山崎に後れを取る形となったが、後半戦初登板となった7月25日の広島戦(マツダ)で7勝目(6敗、防御率2.92)をマーク。再び春先のような快進撃を見せれば、再逆転は不可能ではない。

フレッシュな面々が活躍するセ・リーグ

 現状、山崎康、高木勇の2人には及ばないが、他の新人王有資格者たちも“混セ”の中で頭角を現している。

 投手では、ドラフト2位ルーキー・戸根千明(巨人)が、中継ぎとして31試合に登板して防御率2.51の安定感で存在感を見せている。その他、高卒3年目の若松駿太(中日)が12試合で3勝2敗、防御率2.76。育成契約から今季途中に支配下登録された砂田毅樹(DeNA)は6試合で1勝2敗、防御率2.59。高卒2年目の田口麗斗(巨人)は7試合で2勝3敗、防御率2.92と、それぞれ今後への期待と伸びしろを残している。

 野手では、プロ4年目&ソフトバンクから移籍1年目の亀澤恭平(中日)が、開幕直後から「2番・セカンド」に定着し、ここまで64試合に出場して打率2割8分をマーク。以下、野間峻祥(広島)、倉本寿彦(DeNA)、関根大気(DeNA)らが1軍で活躍。野間が打率2割3分9厘、倉本が打率1割8分8厘、関根も打率2割2分7厘と、いずれも打撃面でアピール不足だが、守備、走塁面では高評価。夏場を迎えて遠藤一星(中日)、江越大賀(阪神)も出番を増やすなど、フレッシュな面々がリーグを盛り上げている。

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著者プロフィール

プロ野球の”いま”を伝える野球専門誌。年4回『季刊ベースボール・タイムズ』を発行し、現在は『vol.41 2019冬号』が絶賛発売中。毎年2月に増刊号として発行される選手名鑑『プロ野球プレイヤーズファイル』も好評。今年もさらにスケールアップした内容で発行を予定している。

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