自信を深めたロンドン大会の予選から4年 実力でリオへ、ブラサカ日本代表の挑戦
パラリンピック出場へ、準備は整った
悲願であるパラリンピック初出場へ向けて、9月2日のアジア選手権に臨むブラインドサッカー日本代表 【写真:伊藤真吾/アフロスポーツ】
8月28日に行われた壮行会で「今が過去最強の日本代表」と述べた魚住稿監督は、「ヨーロッパ上位国とも互角に戦える力を備え、パラリンピックに出場する準備は整っている」と自信を見せた。あとは、出場権を手にするのみ。
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(映像提供:日本ブラインドサッカー協会)
「リオに行けるイメージが鮮明に描けている」
今大会は、中国、イラン、韓国、インド、マレーシア、そして日本の6カ国で総当たりの予選リーグを行い、上位2チームが決勝に駒を進める。リオのアジア枠は「2」。すなわち、決勝進出が決まった時点でパラリンピック出場決定だ。
日本は11年にロンドン大会の出場権を懸けたアジア選手権(宮城)で、アジア随一の強さを誇る中国に敗れたものの、宿敵だった韓国に逆転勝利。迎えたイラン戦は、引き分け以上でパラリンピック出場が決まる状況だった。だが、再三のピンチをしのぎ、前半を0−0で折り返した日本は、後半に2点を奪われ惜敗。選手たちはピッチに呆然と立ち尽くした。
その後、ガイド(敵陣ゴールの裏に立ち、味方にゴールの位置と距離や角度などを伝える)だった魚住が監督に就任。まず個々のフィジカルを鍛え、1試合を通じて走り切れる基礎体力を強化し、連戦にも耐えうる体づくりに取り組んだ。運動量のある26歳の川村怜、一昨年に日本国籍を取得した、ブラジル出身の佐々木ロベルト泉という新戦力も加わり、チームの色も変化。戦術面では、組織的な守備力を強化し、日本の良さを推し進めた。その結果、昨年10月のアジアパラ競技大会(韓国・仁川)では、初の銀メダルを獲得し、世界選手権では6位に躍進。主将の落合啓士が「誰もが海外のチームとの対戦を特別なこととは思わなくなった」と語るように、メンタル面も充実している。その落合が「北京、ロンドンまでの8年間とは充実度が違い、一点の曇りもない。リオに行けるイメージが鮮明に描けている」と話すほどだ。