『ベイビーステップ』の2人が語る ウィンブルドン期待の若手はこの4人

プロ転向を目指し全日本選手権を戦うエーちゃん 【(C)『ベイビーステップ』勝木光/講談社】

 いよいよ今日から始まるウィンブルドン。スポーツナビでは、前回の全仏オープンに続き、週刊少年マガジン『ベイビーステップ』の丸尾栄一郎(エーちゃん)にオファーを出した。しかし、エーちゃんは今、プロ転向を目指し全日本選手権で熱戦を繰り広げている真っ最中。そこで、今回はエーちゃんを「アニキ」と慕う同じテニスクラブ「STC」の深沢諭吉に“注目の若手選手”を紹介してもらいます。

ビッグ4を狙うエーちゃん世代に大注目

注目の若手を解説してくれる諭吉 【(C)『ベイビーステップ』勝木光/講談社】

諭吉 いよいよウィンブルドンですね。

栄一郎 あ もうそんな時期だ!

諭吉  ちょっとアニキ! 勉強と練習と試合ばかりでプロの試合観てないでしょ? 今回も打倒ビッグ4(ジョコビッチ、フェデラー、マレー、ナダル)を狙うご存知、錦織圭選手を筆頭にしたネクストジェネレーション(ラオニッチ、チリッチ、ディミトロフ)や、ベテラン勢(ワウリンカ、ベルディヒ、フェレール)の挑戦は見逃せませんよ。

栄一郎 そうだね。

諭吉 でもアニキ、今回のウィンブルドンの楽しみはそれだけじゃないの知ってますか? このウィンブルドン男子シングルス日本人初制覇の期待が懸かる、世界トップ10の争いに待ったを掛けるどころか、一気に飛び越えて優勝をかっさらおうとする若手の台頭が注目されてるんですよ。

栄一郎 え? そうなの?…さすが諭吉くん詳しい!

諭吉 アニキはやっぱり知らないんですか? もしプロになったらアニキも世界で勝負しなきゃならない日が来るんですよ?

栄一郎 う…でもまだちょっと現実的じゃないっていうか…。

諭吉 そうですよね。アニキは目の前の情報をコツコツと積み重ねていくタイプですからね。わかりました! じゃあ今回は僕がその辺をレクチャーしちゃいましょう。

栄一郎 本当! ありがとう!

若手ナンバーワンの注目株

昨年8強まで勝ち進み、注目を集めるキリオス 【写真:アフロ】

諭吉 まず何と言っても若手ナンバーワンの注目株はニック・キリオス(オーストラリア)でしょう。去年のウィンブルドンでナダルを破り、この10年で最も若い20歳でベスト8入りした超新星です。今年の全豪オープンでもベスト8入りして、5月のマドリード・オープンではフェデラーを倒し、正に破竹の勢いです。

栄一郎 この人は観たこともある…でももっと詳しく教えて。

諭吉 とにかく派手なんですよ。身長193cmからの強烈なサーブとストロークで、ガンガン攻め倒してきます。しかも若いのにグランドスラム大会で全く物怖じしないどころか、まるで王様のように堂々としています。判定で納得いかなければ審判に文句を付け、調子が悪いとかまわず感情を露わにして、コメントも不遜で時に物議を醸しています。わかりやすく言えばアニキと正反対のタイプですね。

栄一郎のサーブに対し、想定外のドロップショットでゲームを奪うタクマ 【(C)『ベイビーステップ』勝木光/講談社】

栄一郎 確かに…タクマさんと荒谷くんを合わせたみたいな感じかな…?

諭吉 うーん…タクマさんほど前で勝負はしませんが、大柄なのに時に驚くほど繊細なタッチの技を使うところや、ただプレーしてるだけで威圧感があるあたりは似てるかもしれませんね。あとストロークでどんどん押してきて、感情むき出しでプレーするところは確かに荒谷くんに似てるかもしれません。右利きですけどね。

長身を生かした超ド級のサーブとストローク

コキナキスは長身を生かした超ド級のサーブとストロークを武器にウィンブルドンに挑む 【写真:アフロ】

栄一郎 最近は欧米以外からも強い選手が出てくるようになったってことかな。

諭吉 それは言えますね。そのキリオスが強くなったのは自国のオーストラリアに最大のライバルがいたからとも言われています。

栄一郎 え? その人は?

諭吉 キリオスは2013年に全豪オープンジュニアと全米オープンジュニアで優勝しているんですが、その2回とも決勝で敗れて準優勝だった、タナシ・コキナキスっていう選手です。この選手もキリオスの一つ下の19歳ですが、彼を上回る195cmの身長から超ド級のサーブとストロークで攻め込んできます。でもキリオスのようにコート内外も注目される派手なタイプではありません。テニスは攻撃的で力強く堅実。精神面も強そうなタイプです。
栄一郎 19歳…一つ上…クマさんと同じ年。なんか焦ってきたかも…オーストラリアはすごいんだね。行ってみたくなったよ…。

諭吉 他にも22歳で世界26位のバーナード・トミックもいますし、5年後にはオーストラリアの時代が来るかもしれないと言われていますよ。

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