殿堂入り藤波が船木との師弟対決に完敗=みのるに惨敗のLEONA「また生きるぞ!」

高木裕美

船木の腕ひしぎに無念のギブ

米国WWEの名誉殿堂入り後初めての試合だった藤波。船木に無念のギブアップ負けだが、「またやりたい」と再戦をアピール 【横田修平】

 ドラディション「FIGHT OF KINGS」が11日、東京・後楽園ホールで行われ、1021人を動員する中、メインイベントでは藤波辰爾vs.船木誠勝の師弟対決が実現した。

 今年3月に米国WWEの名誉殿堂「ホール・オブ・フェーム」入りを果たした藤波は、大会前にリング上から記念の盾と指輪を披露。殿堂入り後初の試合で意気込みを見せるべく、船木にドラゴンスクリュー、ドラゴンスリーパーといった得意技を仕掛けていくも、船木の腕ひしぎ逆十字固めにつかまり、無念のギブアップ負けとなった。

「またやりたい」と藤波は再戦要求

ドラゴンスクリュー、ドラゴンスリーパーといった得意技を仕掛けていくも最後は船木の腕ひしぎにつかまった 【横田修平】

 完敗という結果を受け止めつつも、「自分の中では全盛期の記憶がある。歯がゆい」と闘志冷めやらぬ藤波は、「自分が動けるうちに、またやりたい」と、10月に東京、大阪、博多で開催予定である殿堂入り記念大会での再戦をアピール。「次は引き分けに持ってきたい」と、1988年8.8横浜で行われ、伝説となった自身と師匠アントニオ猪木との一騎打ちを思い出し、師匠としての意地を見せ付けた。

 一方、勝利した船木は「今の年齢で戦ったら、勝って当然」と複雑な表情。藤波からの対戦要求については「自分はLEONAの方を向いている」と、かつて新人の自分を育ててくれた藤波への恩返しとして、藤波ジュニアのLEONAと新たな師弟関係を築き上げていきたいという思いを語った。

みのる「もう会うことはないだろ」

藤波ジュニアに完勝したみのるは「もう会うことはないだろ」とばっさり 【横田修平】

 藤波ジュニアのLEONAは、GHCヘビー級王者・鈴木みのると一騎打ち。デビュー1年半のLEONAに対し、みのるは終始余裕を見せ付けながらサブミッションで腕、足を痛めつけると、LEONAのドロップキックを食らいながらも、スリーパーからのゴッチ式パイルドライバーで圧勝した。

「ただの若手」とLEONAを評したみのるは、「鼻のデカさと、チャカチャカとプロレスをやりすぎるのは親父譲り。別に何も感じなかった」とバッサリ。「親の七光りでプロレス界の一番上と対戦できたけど、もう会うことはないだろ。おまえからはオレの後ろ姿すら見えない。オレはプロレス界の先頭を走ってるからな」と、“崇高なる王様”と若手の差を強調。

 敗れたLEONAは「もっと前向きにプロレス人生を歩むための経験にする」と、完敗という結果は認めつつ、「明日からまた生きるぞ!」と、師匠・船木誠勝が96年のバス・ルッテン戦で敗れた際の名言を引用して、必ずトップに駆け上がるという熱い思いを訴えた。

初代タイガーが心臓疾患で欠場

初代タイガーが「胸部圧迫による心臓疾患」で今大会を欠場。ことし3月のリアルジャパンで曙からボディプレスを受けて敗れた直後から胸部に痛みが出始め、一昨日検査をしたところ心臓の重要な血管の一部が肥大していることが認められたため急きょ欠場となった(試合は3月のリアルジャパン) 【中原義史】

 当初、セミファイナルに出場予定であった初代タイガーマスクが「胸部圧迫による心臓疾患」のため緊急欠場。リアルジャパンプロレスの平井丈雅代表が、現状について会見を行った。

 初代タイガーは3.20リアルジャパン後楽園大会で元大相撲第64代横綱の曙と一騎打ちを行った際、曙のボディープレスを受け敗北。その直後から心臓の辺りが痛み出し、打撲かと思っていたが、一昨日に大学病院で精密検査を受けたところ、心臓の重要な血管の一部が肥大していることが認められ、急遽、今大会を欠場することとなった。

 現在は自宅で療養中だが、今後、18日&19日にさらに詳細な精密検査を行い、その結果によっては、入院、さらには手術の可能性もあるかもしれないという。6月11日には今年旗揚げ10周年を迎えるリアルジャパンの後楽園大会があり、本人も出場を熱望しているが、状況によっては長期宣戦離脱の可能性もありそうだ。
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著者プロフィール

静岡県沼津市出身。埼玉大学教養学部卒業後、新聞社に勤務し、プロレス&格闘技を担当。退社後、フリーライターとなる。スポーツナビではメジャーからインディー、デスマッチからお笑いまで幅広くプロレス団体を取材し、 年間で約100大会を観戦している 。最も深く影響を受けたのは、 1990年代の全日本プロレスの四天王プロレス。

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