ロッテ巻き返しへ、監督が語るキーマン 先発投手では藤岡と唐川に期待!!
力強いボールが戻ってきた涌井
移籍2年目の今季は開幕投手を務めた涌井。投手陣のリーダーとしても期待される 【写真提供:千葉ロッテマリーンズ】
「先発投手のやりくりが大変。ここまでとは想像していなかった。それが4月までの不調の原因のすべてですね」
先発投手陣では、移籍2年目の涌井秀章、新加入のイ・デウンが4勝、プロ2年目の石川歩が3勝を挙げている。この3人について、伊東監督は「大崩れすることなく、ゲームを作ってくれている」と及第点を与えた。
指揮官が特に評価するのは、涌井だ。ここまでに7試合に登板。4勝3敗、防御率2.55をマークしている。昨季は8勝12敗、防御率4.21だったが、今季は彼本来の投球を取り戻しつつある。昨季はクオリティースタート(略してQS、先発して6イニング以上投げ、自責点3以内に抑えること)の達成率が50%だったが、今季は85.7%と先発投手の責任を果たしている。
「涌井はもともと力のある投手。力強いボールが戻ってきて、やっといいときに近づいてきてくれた。昨季も中盤以降はいい投球をしていたので、今年はやってくれると読んでいました」
昨年まで投手陣を引っ張ってきた成瀬善久がFAで東京ヤクルトへ移籍。伊東監督は、涌井にエースとしての役割を期待している。
「昨年は移籍1年目ということで、遠慮している部分もあった。成瀬が抜けた今年は、涌井が先頭を切ってやってくれている。リーダー格として、投手陣をまとめてくれていますよ」
唐川、藤岡の不調が響く
ここまで借金3、首位と5ゲーム差の4位。指揮官も渋い表情で4月の戦いを振り返った 【写真提供:千葉ロッテマリーンズ】
「今は涌井、石川、イ・デウンの3人で勝ち星を拾っているけど、それ以外の投手がいかに勝てるか。長いシーズンを戦い抜くには、それが大事。抑え投手はしっかりしているので、先発のコマがそろえばある程度戦えるはずです」
ここまでは、先発ローテーション投手として見込んでいた唐川侑己、藤岡貴裕の不調が響いている。
藤岡は今季2度目の先発となった5月2日の北海道日本ハム戦で3回を投げて自己ワーストタイの8失点、唐川はここまで2試合に先発し0勝0敗・防御率11.88と結果を出せず、ともに2軍調整が続いている。
指揮官は、この2人について表情を曇らせる。
「唐川と藤岡の2人が同時に先発として機能していないため、先発投手陣は厳しい状況になっている。オープン戦から調子が上がらなかったので不安だったが、シーズンに入ると不安がその通りになってしまった」
現時点で、千葉ロッテの先発投手のQS率はリーグ5位の42.9%。「私がこのチームの監督になってから、QS率が低いという同じ悩みがずっと続いている」と指揮官は嘆く。
「ウチには、長打を打てる打者が少ない。足や小技を絡めて、1点を取りにいく形がベスト。それなのに、投手陣が踏ん張れずに先に失点することが多い。しかも、序盤にビッグイニングを作られてしまうことが目立つ。1、2点なら追いつくチャンスがあるけど、大差がつくと、ひっくり返すのは打線にとって厳しい。やはり先発陣が踏ん張れるかどうかがすべてですね」