ロッテ巻き返しへ、監督が語るキーマン 先発投手では藤岡と唐川に期待!!
若手捕手の成長に手応えあり
正捕手を争う田村(右)と吉田。指揮官も2人の成長には目を細めている 【写真提供:千葉ロッテマリーンズ】
これまでチームを支えてきた里崎智也が引退したことで、今季の開幕へ向け、し烈な正捕手争いが繰り広げられてきた。江村直也、吉田裕太、田村龍弘ら若手のほか、ベテラン格の川本良平、金沢岳、さらにはドラフト4位で入団した寺嶋寛大。その捕手陣の中で一歩リードしているのが、田村と吉田だ。
開幕戦でスタメンマスクを被った田村は、ここまでに21試合で先発出場。残る14試合は吉田が先発出場している。伊東監督は、2人の成長に手応えを感じている。
「順調に育ってくれています。今のところは交代で出した方がいい結果を出すのでそうしているが、どちらを出しても安心して見ていられるようになってきた。里崎の後継者を探すという悩みは解決しましたね」
捕手として西武の黄金時代を支えていた伊東監督。自身の現役時代を振り返り、捕手の苦労をこう語る。
「先発投手は5日に一度の登板だけど、捕手は毎日ですからね。投手が打たれた次の日はつらいですよ。反省をしながら、切り替えなければならない。私も現役時代は、寝る前に打たれたシーンが頭をよぎっていたし、次の日に球場へ向かう足取りは重かった。でも、それに耐えて、耐えて、グラウンドに一歩足を踏み入れたら、切り替えてやっていた。いつまでも引きずっていたら、うまくいかない。そういう強さを学びましたね」
優勝チームに名捕手あり。そう言われるほど、捕手は重要なポジションだ。それだけに、捕手には厳しい注文がつけられる。
「投手陣が苦しい状況なので、田村と吉田にはきつい要求をしています。負けたときは、人一倍つらい思いをしているはず。でも、それを跳ね返さないとレギュラーの捕手としてはやっていけません。彼らはこれからチームを背負って立つ存在にならないといけない選手。今の時期にたくさん苦労して、苦労しながらでも結果が出せるように精神的にも肉体的にも強くなってほしいですね」
今後の巻き返しのカギは?
4月中旬に1軍に合流したデスパイネ。期待する野手として指揮官はキューバの至宝の名前を挙げた 【写真提供:千葉ロッテマリーンズ】
「まずは、先発投手の頭数がそろうこと。唐川、藤岡の2人に尽きる。彼らには一皮むけてほしいと期待しているので、奮起してほしい。(そろって2軍で調整中だが)状態が悪い中で無理に1軍に上げても結果は同じ。『いい球を投げている』という報告を聞けることを待っています」
次に挙げたのが、主砲・デスパイネの名前だった。今季は4月15日にチームに合流したが、ここまでの21試合で打率2割2分7厘、4本塁打、13打点と、まだ本来の打撃ができていない。
「早く目覚めてほしいですね。デスパイネが打ち始めると、チームに勢いがつく。打線が点を取れれば、投手陣も大胆に攻めていくことができますからね」
最後に、指揮官は今季のチームスローガン「翔破〜熱く! 勇ましく!! 泥臭く!!!」に含まれるキーワードを挙げた。
「泥臭さ、です。まだ、それが出ていません。泥臭さを出して、反撃したいですね」
2005年、10年には日本一に輝いているロッテ。15年は「5年に一度のゴールデンイヤー」と、期待が高まっている。その期待に応えるために――。日本一奪還を目指し、ここからロッテの巻き返しが始まる。