生涯一度の大駆け、◎バリアシオン=乗峯栄一の「競馬巴投げ!第97回」

乗峯栄一

栗東坂路にキズナら3強揃い踏み

[写真5]ラブリーデイはルメール騎乗で巻き返し 【写真:乗峯栄一】

 今週も朝イチから栗東トレセンの坂路の方に行ったが、「コース追いの馬も多いだろうし、半分ぐらい写真撮れればいいか」と思ったのが、関西のほとんどの出走馬が坂路に姿を見せた。

 特に武豊騎乗キズナ[写真1]、横山典弘騎乗ゴールドシップ[写真2]、アドマイヤデウス[写真3]と3強の写真が撮れたのはラッキーだった。

 あと、主なところの写真を出しておくと、
[写真4]は福永祐一騎乗ウインバリアシオン。

[写真5]はクリストフ・ルメール騎乗ラブリーデイ。

[写真6]は平田厩舎所属藤懸貴志の乗るカレンミロティックである。

距離が伸びればハーツクライ産駒に勝機

[写真6]カレンミロティックは持ち前のしぶとさを発揮したい 【写真:乗峯栄一】

 ということで、肝心の予想だが、今回もまず「何が勝つか」より先に「何に勝たせたいか」を考えてしまった。オルフェーヴル世代の生き残り、しかもいつも好走しながら、オルフェの壁に阻まれて、いまだにGIを勝てずにいるウインバリアシオンに心が動く。

 屈腱炎という爆弾を脚元に抱えながら、走り出したら止まらない。種牡馬ディープインパクト全盛時代に入ったとはいえ、去年のオークス(ヌーヴォレコルト)、ダービー(ワンアンドオンリー)で見せたように、距離が伸びればハーツクライ産駒に勝機が出てくる。バリアシオンはハーツ産駒の代表にならねばならない。

 バリアシオンはクラシック時代にアンカツが乗り、アンカツ引退後は色んな騎手が乗っているが、前走からまた初期の頃に乗っていた福永祐一に戻った。しかしたとえば弥生賞などの騎乗に比べて、前走日経賞はまったく違っていた。スタート直後、全然ハミがかかっていない。手綱がダランとしたまま、好位置につけている。馬ももちろん大人になったのだろうが、福永祐一の当たりも変わっている。この力を抜く走りが長距離では大きくものを言う。

 3200なら3強の壁も厚いものではない。バリアシオン◎でいく。

 バリアシオン(16)の単。3連単(16)頭固定、ヒモにアドマイヤ(17)、ゴールド(1)、キズナ(13)、デニム(12)、ラブリー(10)、サウンズ(15)、カレン(2)、ラスト(4)の8頭。大穴につき計56点でいく。

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著者プロフィール

 1955年岡山県生まれ。文筆業。92年「奈良林さんのアドバイス」で「小説新潮」新人賞佳作受賞。98年「なにわ忠臣蔵伝説」で朝日新人文学賞受賞。92年より大阪スポニチで競馬コラム連載中で、そのせいで折あらば栗東トレセンに出向いている。著書に「なにわ忠臣蔵伝説」(朝日出版社)「いつかバラの花咲く馬券を」(アールズ出版)等。ブログ「乗峯栄一のトレセン・リポート」

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