川淵「企業スポーツを無くしちゃ困る」 NBL/NBDL意見交換会<企業形態>
NBL/NBDLのプロチームに続き、企業形態チームと意見交換を行った川淵チェアマン 【スポーツナビ】
NBLとNBDLの企業系チームとの意見交換で、川淵チェアマンは「選手の就職先として、企業がいて欲しい」と冒頭で発言。企業スポーツの重要性を十分に理解した上で、「そういう立場の方のご意見もお聞きできれば」と質問を呼びかけた。
プロ形態チーム同様、企業形態チームからも「チーム名」や「ホームタウン」に関する質問が集中。中には「(広域)エリアでのホームタウン制を認めていただきたい」との声も挙がったが、「今のところは8割の(試合を開催する)1カ所を決めてくれとしか言いようがない」と強い姿勢を示した。
本稿では、リーグの意向により「NBLプロ形態チーム」「NBDLプロ形態チーム」「NBL企業形態チーム」の3回に分けて行われた交換会の“企業形態チーム”の意見交換会を、質疑応答も含めて余すことなく紹介させていただく。
企業形態チームの交換会:チーム名と地域名
以下、質疑応答。
三菱電機ダイヤモンドドルフィンズ名古屋 3月4日の会議のときにもお聞きしましたが、「県内に何チームかある場合はOKか?」という質問には、OKだというお返事をいただいております。一つのアリーナをホームコートとする2チームがエントリーするということは可能なのか? そこの制限がされるのか? そこをお聞きしたい。
川淵 可能です。
豊田通商ファイティングイーグルス名古屋 三菱さんとは名古屋で一緒です。われわれもファイティングイーグルス名古屋と(名称を)つけているんですが、“名古屋”をそのまま使わせていただこうと……。
川淵 全然問題ありません。
トヨタ自動車アルバルク東京 アリーナは一緒でいいということですけれど、名称は地域名で区別した方が良いのでしょうか? “東京”と付くチームは多いのが現状です。
川淵 (アースフレンズ東京Zが)将来は世界に飛び立ちたいから、“東京”という名前に魅力があると言うので、小さいうちにあまり大きな名前を付けない方がいい、区の名前でいいんじゃないかと申し上げたんだけど。あまり“東京”と付けるチームが多いと、「東京のどこなの?」というのが明確に分からない。そこは差別化した名前の方がいいんですね。トヨタさんなら豊田(市)という名前でもいいけれど(笑)。それは東京でしょうがないでしょう。
企業形態チームの交換会:“主たる業務”の捉え方
川淵 近くの方が良いけれど、別に必ず一緒でなければマズイということではないですね。(サンロッカーズが)柏レイソルと合併すればいいんだよな(笑)。
日立 提示いただいている案のところに「プロバスケットボールチームの運営を主たる事業」という要件が入っています。例えば柏レイソルと(同じ運営母体)なったときに、サッカーとバスケの事業収支は、それぞれのセグメントを分けた中で、売り上げ規模はサッカーの方が現状は大きい。「主たる」という言葉のニュアンスは、どのように理解すればいいのでしょうか?
川淵 それは例えば柏レイソルと一緒だったら、(日立でなく)柏レイソルだけのバランスシートを、Jリーグに提出しないといけません。こちら側(サンロッカーズ)はこちら側(新リーグの運営法人)に提出するわけですよね。会社としてトータルのやつは、柏レイソルが出しますよね。そういうことから言うと、(バスケとサッカーが一体になって法人化して、バスケ事業の売上割合が小さくても)主たる業務という言い方をして問題ないと(考えます)。いわゆるスポーツのクラブとしての機能の中に(バスケは)入っているわけですから。(バスケとサッカーの)売上がこれだけ違うからダメということは言えないと思いますよ。一緒になる話があるんですか?(一同笑)
日立 いえ。
川淵 それを例に挙げて何かしようと思っているのかなと、聞きながら思ったけれど。まぁどういうことでも、遠慮なくおっしゃってください。
丸尾充(NBL理事長) 質問の趣旨は「売り上げ規模が違うから、マズイのでは?」ということでしょう?
日立 バスケットの2億、3億円という売上規模と、サッカーの数十億円ということの比較からすると、「バスケットを主とする事業会社ですか?」というところの判定は、どうなるのかというのが疑問でした。
川淵 それはスポーツという大前提があるから。それを離して考えること自体がナンセンスですね。今おっしゃった意味は、「バスケットボールとまるで違う他の業態と一緒になったときに、それは認められるのか?」ということを言いたいんでしょ? “主たる業務”が、まるでスポーツと関係ない業態だったらダメだということになります。でも、スポーツならいいでしょう。
丸尾 (タスクフォース案の)言葉の中では捉えられない定義でしょ? それをどんどん聞いてもらわないと。4月末の判断が、皆さんできないんじゃないかと思ってこういう場がある。
川淵 決算を出すときに、どういう収入と支出があって、このクラブがどういう方向に進んでいるということを、(リーグ側は)バランスシートから判断できるわけですね。そこに他の業態が入っていると、トータル的な利益が出ているからいい。(バスケ事業は)マイナスだけど、差し引きプラスになっているということでは、(バスケチームの)存在が明確な形でファンや一般の人に理解されにくいわけです。独立主体として世間に対してそこを明確にし、スポンサーや地域、行政、その他の方の理解を得やすい形にしなければならないということです。主たる業務というのはそういう意味ですね。