東京マラソンナビ 第2回 コース攻略で10分速くなる!?

青山剛

ポイント(2)中盤は風向きに注意!

品川駅折り返し地点からの風向き変更に要注意! 【スポーツナビDo】

 10キロ地点の日比谷交差点から品川の折り返しとなる15キロ地点まで、約5キロ続く直線では調子よく走っているランナーが多いのですが、折り返した途端にガクっとペースダウンする場合が多く見られます。

 その原因は「風向き」です。例年この時期は北風が吹き、この折り返し地点までは追い風気味になる傾向にあります。前半の下り基調と相まって、折り返し地点まで「調子がいい」という錯覚で走り、折り返しでその錯覚から目を覚ます方が多くいるためです。
 ですので、品川の折り返し地点に向けた直線の入り口となる10キロ地点に入ったら、沿道の旗や木々などを見て、その日の風向きを把握するようにしましょう。
 また、この直線の往復を終えた中間点からは、かなり「カーブが連続」します。そのため、風向きが変わったり、急な「ビル風」による突風が吹いたりしますので注意が必要です。

<中盤の攻略法は……>
 追い風の時は、前半の下りと同じくブレーキをかけ過ぎず走り、向かい風になったら、「胸で風を切って走る」くらい前傾姿勢を深くとります。また、対面で折り返してくる自分より速いランナーのフォームを観察しながら走ると、とても参考になりますし、長い直線も精神的に早く終わりますのでおすすめです。

ポイント(3)後半は連続する起伏に注意!

ランナーたちを苦しめる“最大の難関”と呼ばれる佃大橋 【スポーツナビDo】

 いよいよ終盤の35キロを超え、体力的に一番きつい場面で“最大の難関”と言われている「佃大橋の坂道」が待っています。ここで例年ペースダウン、もしくはこれまで走れていた方も歩き出してしまう場合が多くみられます。この佃大橋以降も橋がいくつかあり、ダメ押しで41キロ地点にも結構きつい坂道があります。

最後は東京ビッグサイトでゴール! 【坂本清】

<後半の攻略法は……>
 ここでの攻略法は、上り坂では「腕をあと5センチ大きく引く」ことです。皆さんの記憶に新しい今年の箱根駅伝で「新・山の神」となった、青山学院大の神野大地選手の走りを思い出してください。箱根駅伝でほかの平地区間を走っている選手以上に大きく腕を振っていたはずです。「ダイナミックな腕振り=肩甲骨をより大きく動かす」ことで、上り坂では疲れた足をより動かすことが可能になりますので、しっかり腕を引いて走りましょう。

 また、上り以上に終盤の下り坂は足が痛くてこれもまた拷問です。おそらく終盤は太もも前面もパンパンになっていますので、なるべく「体の真下、もしくは少し後ろ」くらいに足を着地させ、太もも前面の負担を減らす意識で走りましょう。
 以上の3大ポイントを注意して走れば、“速くなる”というより“予定よりあまり遅くならない”で、完走できると思います。極端に言えば10分どころか30分以上も変わってくる方もいますので、よく頭に入れておいてください。

 あとはランニングナビの冬第3回(http://dosports.yahoo.co.jp/column/detail/201501160002-spnavido)で紹介した、「エネルギージェルの補給」で低血糖によるガス欠を防ぎ、トレーニングの成果を十分発揮できるように頑張ってください!

参考資料:「青山剛のスイッチ・ランニング(高橋書店)」(1月5日発売)
初心者〜初級者が正しい手順でランニングを上達していけるメソッドが満載です!

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著者プロフィール

元プロトライアスリート。大学時にプロ活動を開始し、1999年世界選手権日本代表に選出される。その後トライアスリート中西真知子選手のコーチとなり、指導者としての活動をスタート。同選手を2004年アテネ五輪出場に導く。現在は、ランニング、トライアスロン、クロストレーニングのコーチとして競技者から初心者、子供、タレントまで幅広く指導。著書に『ランニング・コアメソッド』『DVDパーフェクトストレッチ100』など多数。(社)日本トライアスロン連合強化チーム・指導者養成委員 元日本オリンピック委員会・強化コーチ

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