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“元”世界王者スペインはどう変わるのか
「抜本的な改革」を望む世論と慎重な連盟

9月からはユーロ予選がスタート

グループリーグで敗退した“元”世界王者スペインはどう変わるのか。国民はシャビ(左)やカシージャス(右)を外し、世代交代を望む声が聞かれる
グループリーグで敗退した“元”世界王者スペインはどう変わるのか。国民はシャビ(左)やカシージャス(右)を外し、世代交代を望む声が聞かれる【写真:ロイター/アフロ】

 ワールドカップ(W杯)ブラジル大会も、いよいよベスト4が出そろった。その顔ぶれは、開催国のブラジルを筆頭に、28年ぶりの優勝を夢見るアルゼンチン、史上初となる4大会連続準決勝進出を果たしたドイツ、前回の南アフリカ大会に届かなかった頂点の座を狙うオランダと、そのいずれもが歴史と伝統のある強豪国ばかり。ここに至るまでにいくつかのサプライズがあったにせよ、大筋では順当のクライマックスを迎えている。もっとも、「いくつかのサプライズ」のうち、一二を争うインパクトをわれわれに与えたのが、スペインのグループリーグ敗退だったことは論を待たないだろう。実際、元イタリア代表監督のアリーゴ・サッキも、「ラ・ロハ(スペイン代表の愛称)にこれほど大きな“ツナミ”が押し寄せるとは、誰も考えていなかった」と『マルカ』のインタビューに語っている。


 開幕前の下馬評では、ブラジル、アルゼンチン、ドイツ、スペインが優勝候補の“4強”とされていた。だが本番では、初戦でそのスペインを5−1で破ったオランダが、“4強”に割って入った。「タラレバ」論に過ぎないが、わずか2試合でW杯連覇という夢が散ったスペインにとっては、なんとも悔しい現実である。


 とはいえ、この9月からはユーロ(欧州選手権)2016フランス大会の予選がスタートする。今大会は早期帰国を強いられたスペインだが、“欧州王者”の看板はまだ掲げたままだ。今回の失敗を糧に“元”世界王者がどう変化していくのか、ファンにとっては興味深いところだろう。

国民は世代交代を望む声が多数

 グループリーグ敗退決定直後、『マルカ』では、今回のW杯メンバーを対象に「今後もチームに残るべきか否か?」との緊急アンケートが行われた。その結果、全体の3分の2以上の支持を受けた選手は23名のうちわずか11名。なかでも、これまで代表の中核を担ってきたGKイケル・カシージャス(30%)、MFシャビ・アロンソ(22%)、MFシャビ・エルナンデス(7%)、FWフェルナンド・トーレス(10%)、FWダビド・ビジャ(9%)には、“引退勧告”とも取れる低い数字が並び、国民が世代交代を望んでいることが明らかになった。だが専門家たちの意見は、「メンバーの入れ替え」を望んでも、「抜本的な改革」には慎重さを求めるものがほとんどである。


「変化は当然あるだろう。それはW杯連覇を成し遂げていたとしてもそうだったはずだ。とはいえ、変革を起こすことを考えたり、その可能性に怯えたりする必要はない」


『ベインテ・ミヌートス』にそう語ったのは、セビージャ監督時代にセルヒオ・ラモスやヘスス・ナバスを発掘したホアキン・カパロスだ。また、02年W杯日韓大会でスペイン代表監督を務めたハビエル・クレメンテも、「4、5人のメンバー変更はあるだろう。だが、それ以上を(ビセンテ・)デル・ボスケ監督は望んでいないはずだ。現代表メンバーのほとんどが、これから何年先もトップエリートで居続けるからね」と大ナタを振るう必要性はないと主張している。実際、ダビド・シルバ、セスク・ファブレガス、セルヒオ・ブスケッツ、セルヒオ・ラモスらは現在、20代後半。フットボーラーとしてはこれからがピークであり、彼らにまで代表での進退を問う必要はないというわけだ。

北川紳也(フットメディア)

1984年生まれ、徳島県生まれ。マニュアル制作会社に勤めた後、2011年夏からフットメディアに所属。J SPORTSのプレミアリーグ中継や『Daily Soccer News Foot!』などに関わり、ライター・翻訳をメインに活動する。学生時代にはバルセロナへ1年間留学。ルームメイトがアルゼンチン人だったこともあり、南米コミュニティーのなかでフットボールのイロハを学べたことが今の財産。

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