“元”世界王者スペインはどう変わるのか 「抜本的な改革」を望む世論と慎重な連盟
9月からはユーロ予選がスタート
グループリーグで敗退した“元”世界王者スペインはどう変わるのか。国民はシャビ(左)やカシージャス(右)を外し、世代交代を望む声が聞かれる 【写真:ロイター/アフロ】
開幕前の下馬評では、ブラジル、アルゼンチン、ドイツ、スペインが優勝候補の“4強”とされていた。だが本番では、初戦でそのスペインを5−1で破ったオランダが、“4強”に割って入った。「タラレバ」論に過ぎないが、わずか2試合でW杯連覇という夢が散ったスペインにとっては、なんとも悔しい現実である。
とはいえ、この9月からはユーロ(欧州選手権)2016フランス大会の予選がスタートする。今大会は早期帰国を強いられたスペインだが、“欧州王者”の看板はまだ掲げたままだ。今回の失敗を糧に“元”世界王者がどう変化していくのか、ファンにとっては興味深いところだろう。
国民は世代交代を望む声が多数
「変化は当然あるだろう。それはW杯連覇を成し遂げていたとしてもそうだったはずだ。とはいえ、変革を起こすことを考えたり、その可能性に怯えたりする必要はない」
『ベインテ・ミヌートス』にそう語ったのは、セビージャ監督時代にセルヒオ・ラモスやヘスス・ナバスを発掘したホアキン・カパロスだ。また、02年W杯日韓大会でスペイン代表監督を務めたハビエル・クレメンテも、「4、5人のメンバー変更はあるだろう。だが、それ以上を(ビセンテ・)デル・ボスケ監督は望んでいないはずだ。現代表メンバーのほとんどが、これから何年先もトップエリートで居続けるからね」と大ナタを振るう必要性はないと主張している。実際、ダビド・シルバ、セスク・ファブレガス、セルヒオ・ブスケッツ、セルヒオ・ラモスらは現在、20代後半。フットボーラーとしてはこれからがピークであり、彼らにまで代表での進退を問う必要はないというわけだ。