貴闘力、プロレス初土俵は張り手で白星=大仁田とのデスマッチ制し「気持ちいい」

高木裕美

昨年から数々の屈辱を受けていた大仁田と対戦

プロレスデビューを白星で飾った貴闘力。鈴木みのるのアシストを受けて、大仁田ら邪道軍団とのデスマッチを制した 【t.SAKUMA】

 リアルジャパンプロレス「STRONG STYLE RETURNS PROJECT〜元大相撲関脇 貴闘力プロレスデビュー戦〜」が16日、東京・代々木競技場第二体育館にて開催され、満員となる3917人を集めた。

 ダブルメインイベント第2試合では、元大相撲関脇の貴闘力が鈴木みのると組んでプロレスデビュー。昨年9月にリアルジャパンの観戦に訪れた会場で大仁田軍団の襲撃を受けて負傷し、プロレスのリングでのリベンジを決意するも、その後も自身が経営する焼肉店で無銭飲食されるなど数々の屈辱を受けて遺恨が深まっていた“邪道”大仁田厚&矢口壹琅組と、ストリートファイト・トルネード・デスマッチで対戦した。

大相撲時代からの武器である張り手で白星

大仁田と場外乱闘を演じた貴闘力だが、「体がバラバラになりそう」とプロレスの難しさを実感していた 【t.SAKUMA】

 貴闘力がリングインするや、大仁田は顔面に赤い毒霧を噴射して先制攻撃。さらに貴闘力は有刺鉄線ボードに張りつけにされ、合体ブレーンバスターでボードに激突し、割れたテーブルで頭をブン殴られ、デスマッチの洗礼を受ける。だが、 貴闘力は大相撲時代からの武器である強烈な張り手で邪道軍団を圧倒すると、みのるのスリーパーで意識もうろうとなった矢口に、走り込んでの強烈な張り手をぶち込み、自らの手で白星をもぎ取った。

 プロレスのリングでの“初土俵”を踏んだ貴闘力は、「体がバラバラになりそう。ブレーンバスターで背中が痛いよ」と、プロレスの厳しさを実感しながらも、「気持ち良かった」と痛みを凌駕する魅力と魔力を体感し、充実した表情を浮かべた。

初代虎、齋藤に辛勝で「私も増量しないと」

齋藤彰俊の前に押されっぱなしだった初代タイガーだが、最後はタイガースープレックスで試合を決めた 【t.SAKUMA】

 ダブルメインイベント第1試合では、初代タイガーマスクが齋藤彰俊とシングル初対決を行った。両者は昨年11月にタッグで対戦。初代と激闘を繰り広げた“虎ハンター”小林邦昭さんとは平成維新軍で共闘し、2代目タイガーであった三沢光晴さんの最後の対戦相手である齋藤に対し、初代もケガを完治させ、万全のコンディションで迎え撃った。

 初代タイガーは序盤からハイキックを連発し、場外でのパイルドライバーやダイビングヘッドバットなどを見せるなど、キレのある動きを披露。齋藤のバックドロップに場内が息を呑む場面もあったが、しっかりとカウント2でクリアしてみせると、スイクルデスのダメージを振り切って、タイガースープレックスでフィニッシュを決めた。

 辛くも勝利を収めた初代タイガーは、「あんな大きいのに、スピードもスタミナもあってすごい。私もまた増量しないと」と、“102キロ”の体重をこの機に乗じてさらにウェートアップする野望をチラつかせた。
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著者プロフィール

静岡県沼津市出身。埼玉大学教養学部卒業後、新聞社に勤務し、プロレス&格闘技を担当。退社後、フリーライターとなる。スポーツナビではメジャーからインディー、デスマッチからお笑いまで幅広くプロレス団体を取材し、 年間で約100大会を観戦している 。最も深く影響を受けたのは、 1990年代の全日本プロレスの四天王プロレス。

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