演技を左右する大切なパートナー フィギュアスケートの「靴とブレード」
新調した靴が合わずに苦しむことも
華麗な演技に欠かせないスケート靴。大切なパートナーであるとともに、選手を苦しめることも…… 【写真は共同】
フィギュアスケートのニュースを読んでいると、「今シーズンからブレードを新しくしました」という記事にたびたび出会う。フィギュアスケート選手たちにとってスケート靴は、大切なパートナーであるのに、選手を苦しめるものでもあるようだ。
選手たちの履いているスケート靴は、驚くほど重くて硬く、靴とブレードを合わせると、片足で1キロ前後もある。スケート靴は、靴部分とブレード部分が別に売られていて、それぞれ好きなものを選んで留めて履いている。
靴部分のみで1足6〜7万円
前述したように、靴は硬い。シングルやペアの靴とアイスダンスの靴でも作りが異なっており、アイスダンスの方は、より細かなフットワークができるよう、足首部分が曲がりやすくなっている。また、最近は軽量化された靴も増えているが、高橋大輔(関西大)のように、エッジワークを重視したために、ある程度の重さを求め、重い靴に変えている選手もいる。
トップ選手たちは、欧米メーカーのものを履いているのだが、1足ずつ手作りのため、同じメーカーの同じタイプの靴を用意しても、靴ごとにほんの少しずつ違いがあり、その違いに悩まされるという。靴の内部を電子レンジのようなもので温めて、そこに足を入れ、インナーを足型にフィットさせるタイプの靴も出てきているが、それでも履いていくうちに靴の皮に癖が出てくる。1足もぴったりするものが見つからないのに、予備まで用意しておくことはほぼ不可能だ。その上、こうした靴は(靴のみで)6〜7万円程度と安くはない。
せっかくフィットしたと思っても、毎日の練習で酷使された靴は、特に足首部分が軟らかくなってしまって(とはいっても、選手ではない人にとっては十分硬く感じられる)、数カ月〜半年で新しい靴に変えなくてはならないのもまたひと苦労だ。