大東チェアマン「大きなチャレンジ」 J3リーグ開催概要発表会見
J3の概要発表会見に臨んだ大東チェアマン(中央)。J3には、Jリーグのさまざまなチャレンジが含まれていると語る 【スポーツナビ】
大東和美チェアマンはJ3について「全国へのJクラブ拡大というチャレンジ。地元スポーツ文化の浸透と経済活性化のチャレンジ。そして全国の多くの人たちに夢や楽しみをお届けするチャレンジであります。若者の挑戦を促す、JFA・JリーグU−22チーム創設というチャレンジ。このような夢を乗せて、J3は船出いたします」とコメントした。
J3創設は百年構想を具現化する施策
公益社団法人 日本プロサッカーリーグ チェアマン 大東和美
公益財団法人 日本サッカー協会 専務理事兼技術委員長 原博実
Jリーグ・U−22選抜 監督 高畠勉
明治安田生命保険相互会社 取締役 代表執行役社長 根岸秋男
明治安田生命保険相互会社 専務執行役 若狭一郎
スカパーJSAT株式会社 代表取締役執行役員社長 高田真治
大東 本日はJ3リーグ記者会見ということで、J3リーグをご支援いただくパートナー各社さま、JFA・Jリーグ・U−22選抜チームのご紹介をさせていただきます。
このJ3リーグは、Jリーグの大きな3つの成長戦略のひとつです。その成長戦略を一本の木に例えれば、1つ目は木を高く伸ばすこと。熱心なファン、サポーターを増やすとともに一般の関心を高め、日本のサッカーマーケットを増やす。その中でビッグクラブをさらに大きくする。アジアのサッカー界での連携もそのひとつです。
2つ目は、木の幹を太くすること。これはクラブ経営の安定化。そしてスタジアムの観戦環境の整備。これには、今まで取り組んできたクラブライセンス制度が機能しています。
そして3つ目はサッカーマーケットの裾野を広げることです。1999年にJ2を創設しました。そして15年後の今年、J3を創設することはまさに百年構想を具現化する施策であります。全国津々浦々にJリーグのクラブが存在し、それぞれが地域のスポーツを新興する旗振り役になります。それぞれの地域は、自らの力で経済の活性化を図り、若者の夢やチャレンジ精神を育み、多くの人たちに笑顔をもたらします。そんな世界を想像して、私たちはこのJ3を作りました。
成長するためには立ち止まることはできない。同じ場所にとどまり続けることは許されない。常にチャレンジだと私は考えています。Jリーグ20年の歴史の中で、日本サッカーは大きく成長してきました。ご存じのように、ワールドカップ(W杯)、五輪の5大会連続出場という偉業は夢のようなことですが、そこにはJリーグで育った選手、監督、スタッフの大きな貢献がありました。そしてJリーグの選手、日本代表選手の世界的な活躍があるが故に、国内リーグのJリーグは今、転機を迎えているわけです。
このような環境のもと、いかにして全国に日本のスポーツ文化を浸透させ、スポーツビジネスを発展させていくかが、Jリーグの大きなテーマです。本日お集まりのパートナー各社さまは、このJリーグの大きなチャレンジに対して深くご賛同いただいております。とりわけ明治安田生命さまは、私どもの百年構想に深くご共鳴いただき、Jリーグトップパートナーにご参加いただくとともに、J3リーグタイトルパートナーにも加わっていただきました。この場を借りてあらためて御礼を申し上げます。
このJ3リーグには、さまざまなJリーグのチャレンジが含まれています。全国へのJクラブ拡大というチャレンジ。地元スポーツ文化の浸透と経済活性化のチャレンジ。そして全国の多くの人たちに夢や楽しみをお届けするチャレンジであります。若者の挑戦を促す、JFA・JリーグU−22チーム創設という挑戦。このような夢を乗せて、J3は船出いたします。
少し話は変わりますが、私は先日、報道発表させていただきましたとおり、1月31日をもってJリーグチェアマンの職を(後任に)譲りますが、全国の多くの方々の熱い思いとご協力を得て創設したJ3リーグを、末永くご支援いただきたいと思います。私自身も、いちサッカーファンとして、3月のJ3開幕を皆さまとともに楽しみにしております。本日は本当にありがとうございました。
課題は19歳から22歳の年代をどう鍛えるか
会見ではU−22選抜チームのユニフォームも合わせて発表された 【スポーツナビ】
先週までオマーン(で行われたAFC U−22選手権)に行ってきましたが、日本は20歳以下で出ました。それはリオ(五輪)を目指して出たんですけど、イラクに負けました。そのイラクは、すでに22歳の年齢でわれわれのA代表と対戦したメンバーが5〜6人いました。A代表経験者が10人以上です。われわれの選抜チームを見ると、残念ながら、J1で後半から少し出る、J2で少し試合に出ている、あるいはJ1でメンバーに入るかどうか、これが現実です。
持っている能力は、イラクに負けないものがJリーグの選手にはあると思います。この若い選手をいかに鍛えるかを考えていく中で、J3ができるこのタイミングで、ここに参加させてもらって、若い選手が少しでも多くの実戦経験を積んで、本来選手はクラブで育つべきですが、ヨーロッパや南米のようにまだクラブ数が多くなくて、いろんなクラブにレンタルで出せる状況でないことを考えると、今年からここに21歳以下、「U−22」と言っていますが、今年は21歳以下です。来年は22歳以下になるんですが、これは93年生まれ。つまりリオ五輪が2016年ですから、そこのメンバーになれる人を積極的に使っていきたいと考えています。
Jリーグと一緒に若い選手を育てていく
ただ日本のサッカーを考えたときに、若い選手ができるだけ早く実戦を積んで、J3リーグですごく良くなれば、当然クラブで使われる。そうなれば、その次に可能性がある選手を使っていきたいと思っています。とにかく、リオを目指すというのはもちろんですが、選手の成長に今まで3年かかっていたことを1年くらいで実戦を積ませて、より高いレベルに持っていきたい。それだけの力は若い選手にはありますから。
例えばこの間の高校選手権に出た、京都橘の小屋松(知哉)みたいな選手が名古屋グランパスに入って、1年目からメンバー18人に入って試合に出られますかとなったら、もしかしたら難しいかもしれない。それでメンバーに入っていなかったら、すぐにこちらに呼んで毎週、沖縄に行ったり秋田に行ったり、試合をやらせてクラブに戻す。クラブとは当然、連絡をとり合って、彼がどう成長しているのかを話し合う。そのために協会も、隣にいる高畠監督を雇い、総務も準備して、Jリーグと一緒に若い選手を育てていく。これがU−22選抜の狙いです。
J3の中で、地方クラブと真剣勝負をして、厳しい環境で若い選手ができるだけ早く伸びるように、そういうチームにしていきたい。これは順番で出るとか、そういうものではないです。われわれは機会を与えるので、あとは選手ができるだけつかんで、そのチームでレギュラーになれるようになってほしいですし、たぶんJ3の各クラブも全力でわれわれに当たってくれると思いますので、楽しみにしています。