アレグリ監督解任、本田への影響は?=不振を極めるミランのチーム事情
サッスオロ戦後には半ばクビを覚悟
ミランがセリエA第19節でサッスオロに敗れた直後の12日夜、バルバラ・ベルルスコーニ副会長はイタリアの通信社「ANSA」を通し、怒りのメッセージを発信した。組織の大改革は、さしあたってマッシミリアーノ・アレグリ監督の解任を意味するものだった。
試合後、記者会見の直前にこの一報が伝わり、「あなたはおそらく解任される事になると思うが、そうなったらどう感じるか」と地元記者から直球の質問が浴びせられる。アレグリ監督は「ガッリアーニCEOとは話した」としつつ、「前半戦で勝ち点22に終わった今季の順位低迷(19節終了時で11位)は残念。チームが処遇を決定し、私はその決定に従う。ただ今までの4年間、自分のやってきたことに後悔はない。たとえ私が解任されるとしてもだ」と半ばクビを覚悟していた発言をしていた。
昨シーズンまでは結果を残した若手の有望監督
2007−08シーズン、当時39歳だったアレグリはセリエC1(3部)だったサッスオロを就任1年目にして初めてセリエB(2部)へと昇格させた。組織のディシプリン(規律)を守らせながらも、選手の個性を消さないチーム作りは極めて高く評価され、イタリアリーグ第3部のレーガ・プロ・プリマ・ディヴィジオーネ最優秀監督に選出された。シーズン終了後にはセリエBの指揮は未経験のまま、セリエA・カリアリの監督へ抜てきされる。カリアリの2年間でも、最高位9位と手腕は素晴らしく、彼の築いた4−3−1−2は今なおこのクラブの土台であり続けている。
そんな有能な若手監督をビッグクラブが放っておく手はなく、最初に手をつけたのがミランだったのだ。ファビオ・カペッロやカルロ・アンチェロッティなど、OBの長期政権のイメージが強い同クラブだが、優秀な若手指揮官の抜てきも図っている。ゾーンプレスをサッカー界に確立させたあのアリーゴ・サッキや、アルベルト・ザッケローニ現日本代表監督などは、その最たる例である。
そして彼は就任初年でチームに7シーズンぶりとなる優勝をもたらし、その後の2シーズンも全て3位以内に入賞。「カンピオナートは守備で勝つものだ」というポリシーのもと、3枚のアタッカーと攻撃的な両サイドバック(SB)を用いながら、組織守備もおろそかにしないチーム作りが好成績の秘訣だった。