歌舞伎龍・梶原引退試合直前インタビュー 後輩・卜部弘嵩と禁断の同門対決=Krush

Krush実行委員会

卜部「力を100パーセント出して倒しに行きます」

「兄のような存在」というジムの先輩・梶原の引退試合の相手を務める卜部弘嵩 【t.SAKUMA】

――まさか梶原選手の最後の相手が弘嵩選手になるとは思っていませんでした

「僕としては龍児さんの相手がなかなか決まっていないということを聞いて、純粋に『戦いたい』と思って名乗り出ました」

――初めは「誰が最後の相手になるんだろう?」と思って見ていましたか?

「そうですね。他の人たちと同じで、対戦相手の候補はいるけど正式に決まらないという状況を見ていました」

――梶原選手は引退発表後「対戦相手は誰でもいい」と言っていましたが、その時点ですぐ「やりたい!」とはならなかった?

「はい。やはり僕は龍児さんと同門なんで。だから……(しばし考えて)…いろんなタイミングがあって、僕が名乗り出て、僕に決まったんだと思います」

――正式に試合が決まった時はどんな心境でしたか?

「龍児さんはKrushだけじゃなくて格闘技界を引っ張ってきた人なので、その最後の相手になれたことを光栄に思いました」

――改めて梶原選手の最後の相手を務めることについてはどんなことを思っていますか?

「……本当に意味があることだと思います」

龍児さんと戦えば何か変われそうな気がする

――今は複雑な心境だと思いますが、試合が終わった後「やってよかった」と思える試合になるのではないかと思います

「僕も間違いなくそうなると思います。龍児さんの相手に名乗り出て、正式に試合することが決まって、いろんなことを考えました。うまく言葉では言い表せないですが、普通にしていたら絶対に戦えない相手ですし、龍児さんの最後の相手ということに意味を感じています」

――引退カウントダウンになった前回の寺崎直樹戦はご覧になりましたか?

「龍児さんは自分の感情を試合で表現する選手だと思うんですね。寺崎戦は龍児さんの気持ちが全面に出た試合だったと思います」

――今の弘嵩選手の言葉を借りると、弘嵩選手は梶原選手とは対照的に試合で感情を出さないタイプだと思います

「はい。僕は自分の感情を試合で表現しない選手だと思います。Krushでチャンピオンになってから約3年間無敗で、対戦相手のことは関係ない、相手に対して感情を持たないように戦ってきました。正直に言うと、それが苦しかった部分もあります。でも今回の試合はそうじゃない。龍児さんが相手で、今までの卜部弘嵩とは違う試合ができると思っています」

――べたな質問かもしれませんが、練習仲間と全力で思い切り戦うことは出来ますか?

「龍児さんはできると思います。あとは僕がどうするか? 僕もしっかり気持ちを作って、仕上げて試合に臨むだけです」

――弘嵩選手にとって梶原選手はどんな存在ですか?

「僕が18歳でチームドラゴンに入ってから、ずっと背中を見てきた大先輩ですね。格闘家としても男としてもいろんなことを教えてくれた人で、本当に兄のような存在です」

――弘嵩選手は梶原選手と戦って超えることができる最後の人間です。梶原選手はキャリアはもちろん、プロとして、ファイターとして、いろんなものを持っている。それを弘嵩選手が引き継げば、とんでもない選手になるのではないでしょうか?

「龍児さんと戦う中で何かを感じて、それを僕なりに自分の格闘技人生の糧にしていきたいと思います。龍児さんと戦えば、何かが変われそうな気がするし、今まで見たことがない景色が見えると思います」

――前回の寺崎戦を超えるような試合を期待するファンも多いでしょうし、この試合のハードルは上がっています


「特別な試合になることは間違いないです。でも僕は僕の試合をします。龍児さんの最後の試合だからといって、龍児さんに付き合って戦うのが、何よりも龍児さんに失礼なことです。僕は僕の力を100パーセント出して倒しに行きます」

――弘嵩選手の話をすると今年はベルトを失って、決していい年ではなかったと思います

「だからすべてつながっているんだと思います。自分には足りないものがあって、それを身につけなければならないと思っていた時に龍児さんと戦うことになった。試合に勝ったからと言って龍児さんを超えたとは言えないと思うのですが、最低でも龍児さんに勝たないことには何も変わらないと思うんです。僕がこれからKrushを引っ張っていくために、龍児さんをきっちり倒して次に進みます」

――試合が決まって梶原選手とは言葉を交わしましたか?

「はい。細かいことを話したわけではないですが、龍児さんから『思いっきりやろう』と。だから僕も思いっきりやるだけです」

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