棒高跳・山本聖途が誓う五輪のリベンジ「世界陸上ではベスト更新、メダルも…」
ロンドン五輪「記録なし」のリベンジを誓う棒高跳の山本。日本選手権2連覇、ユニバーシアード銀の勢いに乗ってモスクワでの飛躍を目指す 【CSPark】
今季も日本選手権で2連覇を飾り、世界陸上代表を決めると、7月にはロシアのカザンで行われたユニバーシアードで銀メダルを獲得。世界陸上に向け、弾みがつく結果を残すことができた。世界の舞台でリベンジに燃える山本に、今大会に対する思いやその先に見据える未来について語ってもらった。
ユニバ銀、五輪の経験が心にゆとりを与えた
「去年の五輪で記録なしということもあって、正直、試合前は不安でした。ただ、今年は世界陸上もあり、そこで勝負をしようと考えていたので、ユニバーシアードでは最低でもメダルは取ろうと思っていました。金メダルが欲しかったというのが正直なところですけど、銀メダルを取れたことは自信にもつながりました」
――ユニバーシアードは五輪と雰囲気が異なると思いますが、どうでしたか?
「会場の盛り上がりが思ったよりもすごくかったですね。僕が跳んでいる際にも、ロシアの人を含め、外国人の観客はたくさん声援を送ってくれたので、すごく楽しかったです」
――世界の大学の選手と会うのも初めてだったと思いますが、そこで受けた衝撃などはあったのでしょうか?
「金メダルを取ったのは米国の選手で、僕より年下でした。さらに、ベスト記録は僕よりも上。米国では彼よりも実力が上の選手がいるみたいですし、世界陸上にも出場しないと言っていました。実力の差を感じたというのが正直なところです」
――五輪は「記録なし」で終わりましたが、得られたものや、足りないと感じた部分はありますか?
「五輪は僕としても初めての海外での試合で、何を準備すればいいのか分からなかったので、当時は試合に出る以前の問題だったと思います。準備がしっかりできていなかったので、試合でも戸惑ってしまいました。やはり試合では自分のペースでやることが重要で、結果も出ます。だけど、それができなかったので、これからはそういった部分に力を入れたいなと思いました。
また、海外の選手とのコミュニケーションが棒高跳では重要です。そこで友だちを作っておくと、1人で海外に行ったときでも、風や踏切の位置を見てくれる仲間ができる。コミュニケーションの部分が必要というのは感じ取りました。あとは、海外に行った時の試合までの流れというのも、他の国の代表選手を見て勉強になった点です」
――五輪での経験がユニバーシアードでも生かされたのではないでしょうか?
「そうですね。一番大きいのは気持ちの部分です。かなりゆとりを持ってできたので、そこは大きかったです」