歴史に終止符を打つファーガソンの引退劇=“忘れ形見”香川にできる恩返しとは
「彼こそクラブの象徴だ」
指導者としてのスタンスは、徹底した管理主義。選手補強からスタッフの雇用、メディアの取材規制から、選手の車の運転に関する制限まで、クラブのすべてを完全に掌握した。“長寿”の秘訣については、20年以上をともに過ごし、同じ数のリーグタイトルを獲得してきたライアン・ギグスに聞くのがいい。
「食欲よりもフットボールの人。監督は毎朝、誰よりも早く練習場にやって来る。あの人の情熱は素晴らしいし、それがクラブ全体に浸透している。彼こそクラブの象徴だ。監督は前進をやめない人で、常に新しい血をチームに導入するんだ」
名将だけに、エピソードには事欠かない。8日朝の引退発表直後から、様々なメディアで、かつての教え子や積年のライバルたちからの賛辞が、とても読み切れないほど並んでいる。さらには、華々しいキャリアを振り返る懐かしい写真たち、26年間で成し遂げてきた偉業の数々、ファンを楽しませた名言・迷言、短気で知られる彼の「ヘアドライヤー・ハイライト」なる記事まで、趣向を凝らした特集記事が次々と掲載されている。そしてもちろん、後任人事に関する報道も数多い。
後任候補の筆頭はモイーズ
しかし、フットボールファンの一番人気は、ジョゼ・モリーニョである。『ザ・サン』、『インデペンデント』、『テレグラフ』、『ガーディアン』各紙のアンケート結果を見ると、1位モリーニョ、2位モイーズ、3位ユルゲン・クロップが定番である。しかし、まだレアル・マドリーとの契約を残しており、もし退団してもチェルシー復帰が濃厚と言われる“スペシャル・ワン”がマンチェスターにやってくる可能性は低いようだ。『デイリー・メール』の記事では、ユナイテッドの幹部たちがモリーニョを選ばなかったこと、クラブのレジェンドであるボビー・チャールトン氏があまりモリーニョのスタイルを好んでいないことが報じられている。