前田日明が語る格闘技界の夢、そしてJカップ

長谷川亮

「だってぺったんこは嫌でしょ?」

大会に花を添えるラウンドガール。2月10日の大会ではラウンドガールにJカップのAV女優・仁科百華を起用するという(写真は昨年5月のアウトサイダーより) 【t.SAKUMA】

――では、今週末に迫った今年の第1戦、「THE OUTSIDER 第24戦」の見どころをお願いします。

 今大会では70−75キロ級王者決定トーナメントをやるんです(※準決勝までを実施)。第4試合(ソルジャーボーイ一樹vs.佐野哲也)ではいきなり優勝候補同士を当てますけど、これは何のためかと言ったら潰し合いをさせるためです。そうすると準決勝では実力が揃う。だからこれはあえてやるんです。でも、フタを開けてみないと分からないところがあって、どちらかが秒殺したりパーンと一本取るかもしれないので、そうなるとやっぱりこの第4試合の勝者が優勝候補最右翼じゃないですかね。(第3試合の)タナハシバター・ヒロシバターも真面目にやればダークホースだし、第4試合が混とんとして潰し合いになったら分かりません。

――今大会はラウンドガールもゲストがあって豪華だそうですね。

 そうそうそう、AV女優の仁科百華が出るんです。彼女と対談した時に「何か違うことをやってみたい。ラウンドガールとかをやってみたい」って言うんで、それで声を掛けてみたらやりますっていうことで。Jカップですからね。166センチのJカップ。

――前田さん自身が大きいので、やはり女性もボリュームのある方がお好きなんですか?

 だってぺったんこは嫌でしょ? うちのラウンドエンジェルは主催者が言うのもおかしいけど、最初の2年目ぐらいまではどこよりもスタイルがいいし、セクシーでしたよ。でも3年目からみんな「ダイエット、ダイエット」って言い出して(苦笑)。「ダイエットしたらクビにするぞ」って言ってもダイエットして。それで1回外して、戻したりしていたらダイエットしちゃダメなんだっていうことが分かってきたみたいなんですけど。だから仁科百華みたいのが入ることで、一種のカンフル剤ですよ。

――女性のダイエット傾向には警鐘を鳴らしたいと(笑)。

 それはあるよね。健康美がいいんだよ、やっぱり。こないだテレビを見てたらミス日本の人の話が出ていて、勝つために8キロ増量したっていうんだよね。元々モデルの子が世界大会へ出るために、外国人のトレーナーがついて、その人が「それじゃ世界で通用しないから増量しなさい。筋肉をつけて、その上に脂肪をつけて女らしい体にしなさい」と。それで結果的に8キロ太って。だから男性の目から見てセクシーでスタイルいいなっていうのと、女性が自分で感じるセクシーでスタイルいいなっていうのは大体10キロ差があるんだよ。それで8キロっていうのを聞いてなるほどと思ったね。だからJカップを見ろと(笑)。仁科百華は秋田出身だから、色白で美巨乳だしね。正直顔はそんなに美人じゃないけど、「この子と一緒にいたら落ち着けるな」っていう何とも言えない魅力があるんですよね。

「早い段階で外国人とやらせることが重要」

1個1個の積み上げで日本の格闘技界のレベルを上げたいという前田代表 【t.SAKUMA】

――話が本筋からそれてすいません。

 全然オッケーです。今年は海外の大会も始めますし、関西に進出してまた新たな才能を発掘できればと思います。今はUFCがさっき言ったような状況ですけど、こういうスポーツの世界っていうのは人材の入り口を押さえた者が勝ちなんですよね。入り口を大きくして取り込んでいく。これからイギリス、オーストラリアでやるってなりましたけど、だったらこれを広げてロシアでもやったらいいと思いますし。

――では今後も人材発掘、育成の場としてアウトサイダーに力を入れていくと。

 アウトサイダーを地下格闘技にするつもりは全くないんです。今はまともに大学を出ても正社員になれないような社会じゃないですか。刺青が入っていたりしたらいっそうなれる訳がない。だったら格闘技のプロモーターとして自分が彼らに対して貢献できる部分は何かと言ったら、アウトサイダーみたいな大会なのかなって。やるからには彼らから一銭も取らず、逆に賞金をバンバンあげて、それで彼らにとって出たことがステータスになるような大会にしようと。そう思ったんです。

――アウトサイダー出身で、ZST、リングスなどプロで活躍する選手も増えてきました。

 不良のための大会といいながら、うちはそういうのに全然こだわっていないので、ヤンチャ系の人ももちろんいますけど、そういう人間に昔いじめられて仕返ししたい人、純粋に腕試しをしたい人、堀(鉄平=“柔術弁護士”)みたいに「悔しかったら俺に勝ってみろ」っていう上からの目線の選手もいますし。どんどん育ってほしいですね。
 あと、他の団体だと選手たちはチャンピオンになったぐらいからやっと外国人とやり始めますけど、うちはアマチュアの時代から米軍対抗戦、次はイギリス、オーストラリアってどんどんやらせます。やっぱり早くから外国人とやらせることが必要です。全然違うし、雰囲気で飲まれることがなくなるし。実際にやってみて「もっと基礎体力があった方がいいな」とか分かるんです。技術はあっても、それを動かす力が足りないっていうことが日本の選手は往々にしてあるんですよね。
 今は日本人同士で試合をするってなっても練習での付き合いがあったり、すぐに情報が入ってきてしまう。それで強い弱いなんて言っても本当に井の中の蛙状態。だから日本のプロモーターはお金を使って大変でも、頑張って外国人を呼んで試合を組んでいかないといけない。日本の格闘技界のレベルを上げようと思うんであったら。

――最後に2013年の幕開けを迎えるにあたり、ファンの方へのメッセージをお願いします。

 何でもそうだと思うんですけど、1個1個の積み上げなんですよね。積み上げて、1段上がるたびに景色が変わってくる。今まで見えなかったものが見えてくる。「何だろう?」ってそれまで分からなかったものが分かってくる。アウトサイダーもそうなんです。今年は大阪でもやって、大阪もディープなところでひと悶着ふた悶着あるんだろうけど、まあ何とかやりますよ。


【リングス/アウトサイダー開催日程】
2月10日(日)ディファ有明 アウトサイダー
4月21日(日)ディファ有明 アウトサイダー
6月9日(日)横浜文化体育館 リングス・アウトサイダー

※秋にアウトサイダー東京大会開催の可能性もあり
※9・12月に大阪大会を開催。日程はおって発表

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著者プロフィール

1977年、東京都出身。「ゴング格闘技」編集部を経て2005年よりフリーのライターに。格闘技を中心に取材を行い、同年よりスポーツナビにも執筆を開始。そのほか映画関連やコラムの執筆、ドキュメンタリー映画『琉球シネマパラダイス』(2017)『沖縄工芸パラダイス』(2019)の監督も。

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