大山加奈が教える、女子Vリーグのここが面白い!!=2012-13シーズン展望<女子編>

構成:田中夕子

元日本代表の大山加奈さんが男子に続いて、女子の展望も語ってくれた 【スポーツナビ】

 3日に開幕した男子に続いて、17日からはバレーボールのV・プレミアリーグ女子大会が開幕する。男女ともに8チームによる総当り4回戦で実施されるレギュラーラウンドを行い、上位4チームがファイナルラウンドに進出。ファイナルラウンドは1回戦総当りのリーグ戦で、その上位2チームが日本一を懸けて優勝決定戦に臨む。

 男子編に続き、元日本代表の大山加奈さんにお話をうかがい、Vリーグ女子の見どころ、注目チームや選手、バレーボールシーズンの楽しみ方などをお届けする。

木村が抜けた東レは連覇を果たせるか

最注目なのはやはり東レ。木村が抜けた穴は大きいが、荒木(左)、中道(右)らを中心に連覇を目指す 【スポーツナビ】

 いよいよ17日には女子が開幕します。ロンドン五輪で28年ぶりに銅メダルを獲得し、注目度が集まったなかでのシーズンです。五輪では仲間として戦った選手たちが、今度は優勝を目指して争うライバルになる。各チームで代表選手たちがどんな役割を果たしているのか。全日本の試合とは違う楽しみが味わえるのではないでしょうか。

 やはり注目は、東レアローズです。

 わたしが東レに所属しているので、「やっぱり」と思う方もいるかもしれませんが(笑)。アローズOGとしてではなく、バレーに携わる1人として、やはりここまで大エースとしてチームを引っ張ってきた木村沙織(ワクフバンク/トルコ)選手が抜けた今季、東レの戦いぶりは大いに気になるポイントです。

 苦しい時に得点してくれるというだけでなく、レセプションの中心でもあり、エースとして精神的な柱でもあった沙織が抜けたことはとても大きな影響があるのは間違いありません。何より選手たち自身がそのことを痛感しているでしょうし、「沙織がいないから勝てないだろう」と言われることが一番悔しい。沙織の不在は決してマイナスばかりではなく、チームをまとめるモチベーションにもつながっているはずです。

 得点力の面で期待がかかるのは、やはり五輪でも活躍した迫田さおりです。去年からレセプションに挑戦してきましたが、昨季はレセプションで安定感のある高田ありさがレギュラーをつかみ、迫田は控えとして終盤までなかなか出場機会が巡ってきませんでした。今季も引き続きレセプションに挑戦していますが、沙織が抜けた分、おそらくこれまで以上に迫田自身も「自分がやらなきゃ」と責任を感じているはずです。レセプションのことばかり考え過ぎるとプレーが小さくなってしまう恐れもありますので、まずは武器であるスパイクを自信にして、今季も持ち味を生かして大いに活躍してほしいものです。

 迫田だけでなく、荒木絵里香、中道瞳といった代表選手がそろう東レですが、アジアカップを経験した4年目の峯村沙紀、小平花織、田代佳奈美、2年目の二見梓など、若手選手の活躍がカギになります。沙織が抜けた今季だからこそ、若手選手にとっては絶好のアピールチャンスにつながるはず。フレッシュな彼女たちの爆発力に期待しましょう。

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著者プロフィール

1976年神奈川県生まれ。日本大学短期大学部生活文化学科卒業。なぜか栄養士免許を有する。神奈川新聞社でのアルバイトを経て、月刊トレーニングジャーナル編集部に勤務。2004年からフリーとしての活動を開始。高校時代に部活に所属したバレーボールを主に、レスリング、バスケットボール、高校野球なども取材。

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