追い切り日撮影の悲哀、ホエールは栗東で生き返る=乗峯栄一の「競馬巴投げ!」
トレセン写真を強要されている訳ではないが……
一番親しいマスコミ人は、長年コラムを連載してきているスポニチ記者陣なのだが、新聞社の場合、記者とカメラマンとは明確に仕事が分かれているので、「有力馬が何時に坂路に現れて、何時に追い切るか」というような情報は彼らはあまり眼中にない。記者の場合、調教師、騎手、あるいは担当調教助手への取材がメインになるからだ。
グリーンチャンネル撮影スタッフは優しい
さらにいいことは、一人で得体の知れないオッサンが写真撮っていると、「何、こんなところで写真撮っとるんじゃ、馬が驚くやろ」と調教スタッフから怒鳴られるんじゃないかという危惧にかられる。心細くもある。しかしグリーンチャンネル撮影と一緒だと「まず怒られないだろう」という安心感がある。何といっても写真カメラはテレビカメラより小さいからだ。ただ、たまに、あまり前に出すぎてテレビ撮影の妨げになることもある。
「の、乗峯さん、ああ……」という撮影ディレクターの呻きは何回か聞いた。恩をアダで返すというやつだ。でも、それでも彼らは相変わらず優しい。