超人たちを跳ばせた魔法のシューズ

K-Collections

1988年ソウル五輪、カール・ルイスが幅跳びで金メダルを獲得したときに使用したシューズ 【K-Collections】

 スポーツコレクションで過去のオリンピックの思い出やドラマを振り返る「オリンピックメモリー by コレクション」。今回は“超人達を跳ばせた魔法のシューズ”と題してして二人の偉大なるアスリートが使用したシューズを紹介する。

米国陸上界のスーパースター、カール・ルイス

右足のシューズにはルイス本人のサインも入っている 【K-Collections】

 カール・ルイスといえば、アメリカ陸上史上、もっとも活躍したアスリートの一人として知らない人はいない存在である。彼が世界へと羽ばたいたのは1984年のロサンゼルスオリンピック。
 弱冠23歳で陸上100メートル、200メートル、走り幅跳び、男子400メートルリレーにエントリーすると、なんと全種目で金メダルを獲得した。
 これは第一次大戦後の1936年に行われた、ドイツ・ベルリンオリンピックで、米国代表・ジェシー・オーエンスと並ぶ4冠で、48年ぶりの快挙だった。

 4年後、1988年のソウルオリンピックでも100メートル(1着のベン・ジョンソンがドーピング検査で金メダル剥奪となり優勝)と走り幅跳びと2つの金メダルを獲得した。今回紹介するのはそのソウル大会の走り幅跳びで使用したもの。
 NIKE製で派手な赤地に白でNIKEのマークが入っており、カール・ルイスのサインも入っている。

 ルイスはこの後、1997年に引退するまでの間、計4回のオリンピックに出場、9個の金メダルと1個の銀メダルを獲得。最後のオリンピックとなった1996年のアトランタ大会では35歳になっていたが走り幅跳びで金メダルを獲得、オリンピック走り幅跳び4連覇を達成、アメリカ陸上史上最も活躍したアスリートとして知られている。

世界記録35回更新、“鳥人”セルゲイ・ブブカ

ブブカが唯一オリンピックで金メダルを取ったソウル大会で使用した貴重な一足 【K-Collections】

“鳥人”のニックネームで親しまれたソビエト(後にウクライナ)男子棒高跳び代表セルゲイ・ブブカは、今も棒高跳びの世界記録(6メートル14センチ)保持者として知られている。

 棒高跳びの世界記録を生涯35回も更新するなど長く第一人者として君臨、世界陸上では6連覇を果たすなど大活躍しているが、オリンピックとの相性は決して良いとはいえず、1988年ソウル大会から2000年のシドニー大会まで4回連続で出場したがメダル獲得はソウルオリンピックの金メダルだけ。
 今回紹介するシューズは唯一のメダルを獲得したソウル五輪時に使用したシューズの一つで白地に青のゼブラ模様が鮮やかでサインも入っている。

 カール・ルイス&セルゲイ・ブブカ。2人の傑出したアスリートたちの、より遠くへ、より高く“跳ぶ”能力をさらに高めたシューズは文字通り“魔法の靴”といっていいのかもしれない。
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