K−1王者からボクシングへ=藤本京太郎インタビュー
12月31日にいよいよボクシングデビュー戦を迎える元K−1ヘビー級王者・京太郎に直前の心境を聞いた 【茂田浩司】
現役のK−1世界ヘビー級王者ながら今年は試合の機会ゼロ。6月に全日本プロレスでプロレスデビューしたものの、K−1再スタートは延期に次ぐ延期で目標を失い、一時は引退を考えるまで追い込まれた。
救いの手を差し伸べたのは、小堀佑介の世界戦を独力で開催したことで知られる萩森健一マネージャー。萩森マネージャーは、藤本がピーター・アーツを右ストレートでKOした試合を見ており「あの右を見てボクシングを勧めた」という。藤本は10月に転向を決意すると12月2日にプロテスト(B級)合格、リングネームを「藤本京太郎」に改名して大みそかにデビュー戦と、たった3カ月間で環境は一変した。
井岡一翔の世界タイトル防衛戦の前座という注目の舞台でデビューを果たす藤本京太郎。波乱万丈の1年をどう締めくくるのか。
これが後楽園や4回戦からだとあんまり練習しなかったかも
OPBF東洋太平洋スーパーミドル級王者・清田祐三を相手にスパーリング 【茂田浩司】
藤本 みんなに言われますね。自分で言うのも何ですけど今年はクソみたいな生活を送ってましたから(苦笑)。体重も6kgぐらい落ちて100kgになりましたよ!
――顔が活き活きしてますもんね。
藤本 僕はホントにやる時はやるんですけど、やらない時は人よりもやらないんで。これは本当に激しいんで。
――真夏にチームHOGUMIのラントレ(炎天下のグラウンドをダッシュ)を取材した時、徹夜明けだったんですよね。
藤本 酒は飲まないんで朝まで遊んで、仮眠しただけでダッシュやりましたね。
――今は遊んでないんですか?
藤本 遊ぶわけないですよ!(笑) 試合まで時間もないんで、角海老ジムの近くに引っ越して練習ばっかりしてますよ。計画性がないんで(苦笑)1カ月ぐらい前に怒濤のような引っ越しをしましたよ。
――間取りは?
藤本 ワンルームです。物が多いんで20畳あるんですけど。
――また広いんですね。
藤本 優柔不断でなかなか決まらないんで「人と違うところにしよう」と思って、違うとこが一個だけあったんでそこにしようと思って。チームHOGUMIでのフィジカルもやって、田中(栄民)先生の朝のロードワークも行ける時は行きますよ。
――練習も充実しているんですね。
藤本 はい。毎日やることがあって、この先に目標があって、すごい注目されて、仕事が出来てるのがすごい嬉しいんですよ。ボクシングっていう競技はすごい楽しいです。
――いいですね!
藤本 K−1では1回も楽しいと思ったことはなかったんですけど、ボクシングはやってて楽しいです。もしかしたら僕にすごく合ってるかもしれないです。別にキックを評価してないとかじゃなくて、リアルな直感として「楽しい!」と思いますね。誰も注目してくれないと思ってましたし、また1から始めるんだと思ってたんですけど、こうやっていろんな人に注目されるのはすごい嬉しいです。
――注目されたり、舞台がデカくなると力を発揮するタイプですよね。
藤本 完璧そうです。これがもし4回戦からとか後楽園ホールからだとあんましやらないと思います。これだけ注目されて「プレッシャーも凄いだろ?」とか言われるんですけど、K−1のプレッシャーに比べたら全然問題ないです。まだデビュー戦だし、これが上に行けばもっとあるでしょうけど、プレッシャーはK−1で慣れてるし、相手も凄い人とやってきてるんで。「自分の力を出せば全然大丈夫かな」と思ってます。練習もすごい内容が充実してるんで。