初代王者トーナメント開幕で「間違いなく一番いいカード」 TAJIRIが語る6.9『SMASH.18』完全ガイド!=SMASH

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本当はこの試合をメーンにしようと思ってもいた。好勝負必至。

タッグを組む朱里(左)と志田光(右)がトーナメント1回戦で激突。TAJIRI曰く、好勝負必至! 【神谷繁美】

<第6試合 初代SMASHディーバ王座決定トーナメント1回戦>
朱里vs志田光


 この2人もボクとFUNAKIさんと同じで因縁も何もないので、いい試合をしてどっちかが勝ってくれればそれでいいとボクは思います。で、本当はこの試合を今大会のメーンにしようかと思ってもいたんですよ。だけど、その後で天龍さんやウルティモさんら歴史がある方々の参戦が決まって、あえて今回ボクは歴史のほうを重んじたわけなんですが、メーンに据えてもいい価値が出てくる試合になるような気がします。

 今年3月のアイスリボン後楽園大会での初対決では、朱里ちゃんが志田さんに負けてるんですよね。この試合もすごく良くて、ボクも会場で観てたんですけど、試合が終わるまで朱里ちゃんが勝つと思ってたんですよ。今はタッグを組んで2人仲良くやってますけど、朱里ちゃんも絶対に悔しさは残っているはずなんですよ。
 だけど、対戦相手の志田さんはかなり手強いですよ。この前の試合でも、朱里ちゃんはいいところまで行きながら、志田さんのヒザ蹴りで最後は持っていかれているので。
 ちょっと肩入れしちゃうことになるけど、ボクは、朱里ちゃんが勝って2回戦に進んでほしいですね。ボクは朱里ちゃんにディーバ王座のベルトを最初に巻いてもらいたいんですよ。

ボクらが闘うことでロック、オースチンのシルエットが浮かび上がってくるはず

FUNAKI(写真)とTAJIRIによる元WWEスパースターによる対決はWWEファンも注目だ 【t.SAKUMA】

<第5試合 初代SMASH王座決定トーナメント1回戦>
TAJIRIvsFUNAKI


 ボクとFUNAKIさんは抗争や因縁とかそういうものは何もないので、トーナメント1回戦のほかの試合と比べたら潰し合いとかそういう試合にはなりませんよね。
 じゃあ、そんななかでボクとFUNAKIさんは何を見せられるのかと言えば、ボクらはザ・ロック、スティーブ・オースチンがトップでバリバリやってた頃のWWEでちゃんと生き残った人間だから、その生き残った者にしか出せない世界観というのを意識することもなく自然に出ちゃうと思うんですよ。FUNAKIさんが会見で「ロックアップだけでも見せられる」って言ってましたけど、それこそがボクらのアイデンテティーでもあるんですよね。
 つまり、ボクらがリングで肌を触れ合わせただけで、あの頃のWWEで活躍していた選手たちのシルエットが浮かび上がってくるんじゃないかなって気がしますね。あの頃を知っているWWEファンには懐かしいものに触れる気持ちで観に来てもらいたいし、現在のWWEが好きなファンには、昔のWWEもすごかったんだねっていうのを見せたいな、うん。

 あと、自分で言ってしまいますけど、ボクとFUNAKIさんが闘うっていうことは、WWEで闘ってきた日本人レスラーの最高峰対決なんですよ。とにかく、ボクとFUNAKIさんが闘ったら、「この2人は流石だな」と思わせるものを間違いなく見せられるはずなので。
 それと、ボクはよく曲者って言われてますけど、ハッキリ言ってFUNAKIさんはボクの何倍も曲者ですよ(笑)。もしかすると、ボクが同じようなタイプのさらにレベルの高い選手に苦戦する、この試合でそういうシーンが初めて観れる可能性もありますね。なので、トーナメント初戦の相手としてはとても厄介なことは確かです。

これは言ってみれば、『デビルマン』の世界ですよ

新日本で暴れたい放題の飯塚高史(中央)が、元JJジャックスのAKIRAと宿命の対決 【t.SAKUMA】

<第4試合 初代SMASH王座決定トーナメント1回戦>
AKIRAvs飯塚高史


 AKIRAさんは、会見のなかで『JJ黙示録』をひも解いていくうちにだんだんおかしくなって、『自分の中に飯塚高史と同じような悪魔がいる。狂気が宿っている』という悟りを開いてしまったんですよね。そして、AKIRAさんは『悪の化身になる』と宣言した。これは言ってみれば、『デビルマン』の世界ですよ。偶然にも『デビルマン』の主人公の名前は、不動明(ふどう・あきら)っていうんですけど(笑)。

 ということで、この試合はまるで特撮やアニメに似たようなフィクションの世界が生み出されてしまうのかなっていう気がするんですよね。あるいは、ダンテの『神曲』のような世界とでも言うんでしょうか。そういうワクワク感がボクのなかにはあります。
 その一方で、AKIRAさんから会見で『こんなカード組みやがって!』って怒鳴られたときには、正直ショックを受けたんですよ。なにかやってはいけないことをやってしまった、AKIRAさんのなかで押してはいけないスイッチをボクが押してしまったのかなと、そんな気がしたんですよ。狂気のスイッチですよね。
 そして、飯塚さんなんですが、AKIRAさんにJJジャックス時代のコスチュームを送りつけてきたりとか、ただ暴れてるだけじゃなくて意外にも頭を使う人なんだなと。ということは、AKIRAさんの狂気をうまく利用して、自分の優位なほうに導く可能性もあるんですよね。そういうズル賢さをあの人は持ってそうな気がします。
 あとは、飯塚さんは新日本プロレスでの入場の際、放送席にいる背広やワイシャツを来た人を襲う習性があるじゃないですか。これがSMASHだと、酒井代表が襲われる可能性もありますよね。だけど、酒井代表は『私がみんなを守るから大丈夫です!』と言ってるんですけど、どう大丈夫なのか……それもまた楽しみのひとつだったりもします(ニヤリ)。

個性的キャラクターが集まるなか、無色透明の木藤クンがどこまで目立てるか

大阪プロレスのザ・ビッグガンズとのタッグマッチで木藤裕次(右)は目立つことができるか!? 【t.SAKUMA】

<第3試合 タッグマッチ>
矢郷良明、木藤裕次vsゼウス、The Bodyguard(大阪プロレス)


 この試合は、ザ・ビッグガンズ(ゼウス&The Bodyguard)の2人が主役になるのかと思いきや、なんと木藤クンが今まで誰もやってこなかった方法で注目を集めているんですよね。以前、ボクが木藤クンについて『凡人も極めれば非凡になる』って言いましたけど、ここにきて可能性がちょっと見え始めてきたのかなと。
 で、木藤クンは、“AWA最高のテクニシャン”と呼ばれたレイ・スティーブンスのテクニックが根底にあると自分で言ってたんですけど、それにまた矢郷さんが『ならば私は“矢郷・ニック・ボックウィンクル”になる』って言い出して、矢郷さんもこういうのが実は好きなんですよね(笑)。
 そういうことで、ザ・ビッグガンズは現代版ロード・ウォリアーズ、矢郷&木藤はニック・ボックウィンクル&レイ・スティーブンスということで、いにしえのAWAがここに蘇ったわけですよ。だけど、ザ・ビッグガンズの2人にはそういう意識はまったくないだろうから、いざ試合になったらわからないですけどね(笑)。

 まあ、木藤クン以外はすごく個性的かつ濃いキャラクターを持った3人ですよね。だからこそ逆に、無色透明で寒天みたいな木藤クンの存在はすごく目立つはずなんですよ。でも、そこは木藤クンの力量にもかかっているんですよね。もしかすれば、無色透明のまま誰の目に触れることもなく終わってしまう可能性もあるわけですから。木藤クンにとっては、レスラー人生で一番の山場を迎えていると言っても過言ではないと思います。

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