〔コスモヘルスカップ/FR〕34年前は初心者と日本アマ王者 増田伸洋が「いい教材にしていた」宮本勝昌をプレーオフで下し年間複数回優勝を達成

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コスモヘルスカップ シニアゴルフトーナメント2024 最終ラウンド

増田伸洋と宮本勝昌の同い年対決となった「コスモヘルスカップ シニアゴルフトーナメント」は、トータル13アンダーで並んだ2人によるプレーオフに突入。2ホール目でバーディを奪った増田がボギーとした宮本を下し、「日本プロゴルフシニア選手権」に続く今季2勝目を挙げた。

トータル9アンダーの単独2位には鹿志村光一、トータル8アンダー・4位タイには手嶋多一とタマヌーン・スリロット(タイ)が入った。また、宮本は敗れはしたものの、賞金ランキングで2位の片山に1,023万円の差をつけ、シーズン残り1試合となった最終戦に片山が優勝しても宮本を逆転できないことから、昨年に続いて2年連続賞金王を決めている。

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34年前の1991年、日大の1年生となった宮本は増田家が経営する千葉県柏市のゴルフ練習場『双伸ゴルフセンター』を練習の拠点にしていた。その年、宮本は「日本アマチュアゴルフ選手権」を制する。時を同じくして、高校を卒業した増田少年もゴルフを始め、千葉カントリークラブ・川間コースで研修生となった。「ゴルフを始めた頃は僕は練習しても右のネットにしか行かないし、かたや宮本は日本チャンピオン。最初の頃はいい教材にしていましたね。そこを目指さないとダメだろうと思っていた」と増田はいう。

宮本はプレーオフのティーイングエリアに向かうカートに乗りながら、「まさかノブとプレーオフするとは思ってなかった。でもやってみたいと思っていた」と増田に話している。その後、宮本は95年にプロ転向して98年にレギュラーツアー初優勝。ツアー通算12勝を挙げた。一方の増田は、驚異的なスピードで上達し、98年にプロ転向。2006年にツアー初優勝を成し遂げた。

日本大学からプロという王道を行く宮本と、高校を卒業して研修生からプロを目指した増田。34年前は日本アマチュア王者と初心者だった2人が、シニアツアーの舞台で優勝争いを演じるとは、本人も含め誰も予想できなかっただろう。

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トップの宮本が2位の増田を1打リードして迎えた最終日。増田はボギーが先行し、宮本のバーディパットはなかなか沈まない。最終組は前半、重苦しい雰囲気で進んでいく。増田が2打リードして迎えた13番パー5で増田がバーディ、宮本がボギーとして、その差は4打に開く。しかし続く14番で今度は増田が「お先を外して」ボギー。宮本がバーディを奪って再び2打差となる。そこから宮本は17番まで4連続バーディを奪い、一気に増田に追いついた。

最終18番はともにパーとして36ホールで決着つかず、2人の勝負は延長戦へ。プレーオフ1ホール目、増田のチップインバーディを狙ったアプローチはピンをかすめて1.5メートルオーバー。それでも返しを入れてパーセーブする。宮本の決めれば優勝のバーディパットは1メートル。しかし、「弱めに引っかけた」と左に外して2ホール目へ。宮本がトラブルでボギーとしたのに対し、増田が3打目を1メートルに寄せてバーディを沈め、勝負が決した。

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「負けたので悔しいしかないんですけど。ノブもいいプレーをしていましたし、この年になっても優勝争いができるのは、やっぱり楽しかったですね」と宮本は清々しい顔で話せば、「この年になっても一緒に戦えるのは自分の中で楽しかったし、うれしかった」と増田も笑顔。2人は34年前を思い出しながら、同じようなコメントを残した。

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これで増田は念願の年間複数回優勝を達成。「今年はメジャーに勝てたし、初めて複数回優勝できて、すごくうれしく思います」と満足げな表情を浮かべる。しかしまだ気は抜けない。この優勝で賞金ランキングは6位から4位に浮上。例年、賞金ランキング4位以内には、翌年の海外メジャー「全米プロシニア」と「全米シニアオープン」の出場権が付与される。増田は昨年、賞金ランキング4位で終えて、今年のメジャー2戦に出場していたがともに予選落ちに終わっている。

「頑張れば行けるので最終戦はしっかり頑張りたいと思います」。次戦は3週後のシーズン最終戦「いわさき白露シニア」。今年、メジャーで味わった悔しさを払拭するためにも、賞金ランキング4位以内を死守したいところ。「今年は出来すぎ」というシーズンを笑顔のまま締めくくりたい。

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著者プロフィール

PGAはゴルフの正しい普及と発展を願い、誰にでも愛される「国民のスポーツ」「生涯スポーツ」となるため、日本ゴルフ界のリーダーとして活動しています。PGAの使命は、トーナメントプレーヤーの育成、ゴルフ大会の開催・運営に加え、ゴルフの正しい普及と発展を具現化するために、ティーチングプロ資格を付与したゴルフ指導者を育成しています。さらにPGAでは幅広い分野で積極的な取り組みを行い、地域に密着した社会貢献活動、ジュニアゴルファーの育成など多方面にわたる取り組みを日々歩み続けています。

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