セレッソ大阪【J1リーグ第35節 C大阪vs.札幌】前節の反省を生かし、試合の入り、球際で後手を踏まず、J1残留へ強い気持ちで向かってくる相手を上回りたい

セレッソ大阪
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【CEREZO OSAKA】

5試合ぶりの敗戦を喫した前節の明治安田J1リーグ第34節・ジュビロ磐田戦から2週間が空いた今節。セレッソ大阪は、敵地に乗り込み、北海道コンサドーレ札幌との明治安田J1リーグ第35節に挑む。

磐田戦では、開始早々ミスから失点すると、前半は失った流れを取り戻せず、0-1で折り返す。後半も攻め込みながらも1点が遠いもどかしい展開が続くと、71分に2失点目。試合はより厳しさを増した。ただし、ここから選手交代を機にシステムも4-3-3に変更すると、88分、カピシャーバのクロスにレオ セアラが合わせて1点を返す。さらに後半アディショナルタイムには、西尾隆矢のクロスに途中出場の山田寛人が競り勝ち、こぼれたボールに反応した田中駿汰がPKを獲得。土壇場で同点の好機が訪れたが、セアラのキックは元日本代表GK川島永嗣に止められ、追いつくことはできず。連勝は2でストップした。この試合から教訓を得るとすれば、やはり立ち上がりになる。試合間隔が空いた中、アウェイという環境で、今節も序盤で主導権を失うと、取り戻すことに労力を要する。「札幌は残留へ向けて勝つしかない状況なので、ガンガン来るとは思うけど、自分たちも前から行って、主導権を握りたい。相手の圧を受けないように、こちらが圧をかけたい。試合の入りが重要になる」と古巣戦に臨む田中も試合展開を見据える。田中と同様、古巣戦となる進藤亮佑は、より相手の置かれた状況も気にかけながら、今節に挑む意気込みを話す。「札幌も大変な状況だけど、それを理解してプレーするほど優れた人間ではない。セレッソの選手として、チームと個人の価値を示さないといけない。もし今節、僕らが勝って、柏が勝てば、札幌としてはかなり苦しい状況になると思うけど、そういったことは関係なく戦いたい」。昨年まで5シーズン、札幌に在籍していたルーカス フェルナンデスも、トーンこそ異なれど、進藤と似たニュアンスの言葉で今節に臨む気持ちを表現。「札幌では5年プレーして、とてもいい時間を過ごせた。もちろん愛着はあるが、今はセレッソの選手として、セレッソのためにベストを尽くす」と強い覚悟で今節に向かう。

【CEREZO OSAKA】

前節と同様、今節も互いに3バックのミラーゲームになることが予想され、局面での1対1が随所に見られる肉弾戦となる可能性は高い。磐田戦では、相手のファウル覚悟の強い当たりに苦しんだ部分もあっただけに、「走り負けない、球際、セカンドボールのバトル。そういったサッカーのベースで負けないこと」(小菊監督)は何より重要になる。さらには、相手の強い矢印をどう裏返して攻めに転じるか、といった戦術的な要素もカギを握りそうだ。「人に強い(札幌の)守備スタイルに対して、我々が、どのように効果的に崩していくのか。そのあたりを入念にミーティングやトレーニングをしてきました」と小菊監督も話す。首尾よく先制して試合を優位に運ぶことが理想だが、先に失点すれば、札幌は後ろを5枚で固めてくる可能性もある。そうなれば、前節と同様、相手の守備をどうこじ開けるかも問われる。札幌の置かれた状況、アウェイという舞台を考えると、通常の一戦以上に重みのある、「異様な雰囲気」(小菊監督)の中でキックオフを迎えるだろう。セレッソとしては、熱い気持ちとともに、スタジアムの圧に惑わされず、冷静さを保って戦うことも必要になるか。

【CEREZO OSAKA】

「札幌と同じく、私たちも勝利だけを目指してプロとして戦います。自分たちの順位を一つひとつ上げて、未来のセレッソへつなげていく。それはチームとしても、個人としても重要。非常に大事なゲームになります」と指揮官。10月23日には、今シーズン限りで山下達也が現役を引退することも発表された。「ヤマさんと過ごした時間は大切でした。小菊監督への感謝の気持ちも大きいです。2人が納得してピッチを去れるように、残り4試合を戦いたい」と為田大貴も熱い気持ちを吐露する。札幌に負けられない理由があるように、セレッソとしても、勝点3を強く欲する理由はある。
(文=小田尚史)
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