TAJIRIが語る1.29『SMASH.13』完全ガイド=今年の流れを占う2連戦
1.29は昼夜ダブルヘッダーのSMASH。夜開催の『SMASH.13』の見どころをTAJIRIに語ってもらった 【(C)スマッシュ】
そんな中、プロレス部門のプロデューサーを務めるTAJIRIに夜開催の『SMASH.13』の各試合の見どころを語ってもらった。
素直な気持ちを話すと、とにかくコバックのことが怖いんですよ
SMASH.11では大原を相手に戦慄(せんりつ)な強さを示したコバック(手前)。ダブルヘッダーでどんな戦いを見せるか? 【神谷繁美】
TAJIRI vs.マイケル・コバック
『SMASH.11』(2010年12月11日/新宿FACE)の大原はじめvsマイケル・コバックの試合を観て、正直言って、ボクは戦慄(せんりつ)を覚えたというか「この世にはスゲエ奴がいるんだ」と震え上がってしまったんですよ。だから、ボクは今回珍しく試合を前にしてナーバスになっているというか、すごく緊張してますね。素直な気持ちを話すと、とにかくコバックのことが怖いんですよ。いきなり何をされるのか分からない、まったく分析もできなければ予想もできない怖さなんですよね。
もっと分かりやすく説明すると、スターバックなら怖いけど話は通じそうじゃないですか。だけど、コバックには話がまったく通じなさそうな気がするんですよね(笑)。
有無も言わさずにグサッとやられそうな怖さがあるというか。あと、これは通訳の方から聞いた話なんですけど、コバックがこのまえ来日したときに歌舞伎町で歩いていてとんでもないことをしでかしてるんですよ。それこそ聞いたら誰もが震え上がるようなエピソードを残しているんですよね。かなりヤバイ話なんで詳しいことは言えないんですけど。それをボクは聞いてしまったので、コバックに対する恐怖心がさらに強くなってしまってですね。今になっては聞かなきゃ良かったって後悔してるんですけどね(笑)。
ボクもこういう気持ちになったのは、昔はあったんですけど、ここ最近はまったく無かったですからね。だけどその一方、昼の『SMASH.12』でボクがクレイジーに勝ってFCF王座を防衛したらコバックとの試合はチャンピオンシップになるんですけど、そんな奴には絶対にベルトを渡したくないんですよ。それこそこんな悪い奴にベルトが渡ってしまったら、それをきっかけにして地獄の蓋が開き、すべてが闇に包まれてしまいそうな感じがするじゃないですか。去年、JCBホールでボクがスターバックからベルトを奪った後、コバックがボロボロになったスターバックを襲撃してああいうラストを迎えたじゃないですか。だから、余計にあんなことを平気でやるような奴には絶対に負けたくないんですよね。
古き良き時代プロレスの醍醐味が詰まったマッチアップ
FCFのベルトを失ったスターバック(写真)は、再起をかけてスペル・クレイジーと激突 【t.SAKUMA】
スターバック vs.スペル・クレイジー
この試合はマッチメークしたボクも早く観てみたいカードなんですよ。正直言うと、どんな試合展開になるのか想像もつかないんですが、だからこそ非常にワクワクできるんですよね。何かこう問答無用で観る者を熱狂させていた古き良き時代プロレスの醍醐味が詰まったマッチアップになるような予感がボクの中ではしています。
そして、昼の『SMASH.12』でクレイジーがボクに勝ってFCF王座を奪取したらこの試合はチャンピオンシップになりますし、ボクが王座を防衛したらハードコアルールで行なわれることになるんですよ。もうどっちも観てみたいですよね(ニヤリ)。
で、スターバックはフィンランドでハードコアルールではないんですけど、ストリートファイトルールで闘っている試合もあって、ジーパン&Tシャツ姿で闘っているスターバックがめちゃくちゃカッコイイんですよ。その一方で、クレイジーとスターバックがFCF王座を賭けて闘う試合も観てみたいですよね。メキシコvsフィンランドっていう図式のシングルマッチなんて、日本のプロレスファンは誰も観たことがないんじゃないですか。ボクだって観たことないですし(笑)。
あと、クレイジーがスターバックの必殺技であるパイルドライバーを食らったらどうなってしまうのか、ここもクレイジーのことをよく知るボクにとってはすごく興味があるポイントなんですよね。とにかく誰も予測がつかない闘いが繰り広げられるのではないでしょうか。
大森さんは新たなる境地に達したAKIRAさんと闘ったことがない
AKIRA vs.大森隆男
長いキャリアを持っている2人なんですが、実はシングルで闘うのはこの試合が初めてなんですよ。で、AKIRAさんに聞いたところによると、大森さんとはタッグマッチでも2回くらいしか闘ったことがないということなんですよね。
まあ、それはAKIRAさんがジュニアヘビー級、大森さんがヘビー級で闘っていたからというのもあるんですけど、AKIRAさんはSMASHに来てからジュニアという概念を超えた選手に完全になったと思うんですよ。大森さんはこの一年でいわゆる新たな境地に達したAKIRAさんと闘ったことがないので、過去の試合とはまったく比較できない見方ができるとボクは思いますね。階級とかは関係なしに、己の生き様をかけた勝負になるんじゃないかなと。
あと、大森さんがプロレスに本格復帰してからSMASH参戦を決めたのは、『SMASH.8』(2010年9月24日/新宿FACE)でAKIRAさんとスターバックが闘った試合がきっかけになっているんですよね。だから、SMASHで活躍している今のAKIRAさんの姿というのは、大森さんにとってはひとつのあこがれだと思うんですよ。そして、大森さんは今回のダブルヘッダーをクリアできたあかつきにはスターバックとも闘ってみたいと表明しているので、AKIRAさんとの試合にかける意気込みは並々ならないと思うんですよね。そういった意味でも、AKIRAさんの熱いハートが大森さんにもいい形で響くようになれば、この試合はすごくスパークするような気がしますね。