TAJIRIが語る1.29『SMASH.13』完全ガイド=今年の流れを占う2連戦
真琴選手の願いがかなった瞬間の喜びのスパークが闘いの中で観られれば……
念願のWWEディーヴァとの対決に臨む真琴 【t.SAKUMA】
真琴 vs. セリーナ
先日、朱里ちゃんと合同公開練習をやった真琴選手ですが、実は、ボクらSMASHの合同練習に彼女も現在参加しているんですよ。わざわざ埼玉の蕨から西調布まで週2回通ってきてるんですよね。練習も熱心に取り組んでいて、これはボクも感心しているんですよ。
で、彼女は「WWEに行きたい!」っていう高いモチベーションを継続して保つことができているじゃないですか。それだけ本人の思いも強いはずなんですけど、本当にいいところまできているなっていう実感がボクの中でもあるんですよ。
そんな中で昨年までWWEディーヴァとして活躍していたセリーナと対戦するわけですが、彼女はWWEが好きだからセリーナが活躍する姿を当然テレビで観ているわけですよ。彼女本人はセリーナと闘うことが今でも信じられないみたいなことを言ってましたけど、その一方で大舞台に強いところがあるじゃないですか。普段は緊張しておどおどしているのに、いざリングに上がったらその立ち振る舞いはすごく堂々としていますよね。
だから、この試合に関しては、真琴選手の願いがかなった瞬間の喜びのスパークと言うんですかね、そういうのが闘いの中で観ることができれば観ているお客さんもハッピーになれるんじゃないかなって思うんですよ。ひきこもりだった子がテレビで観たWWEという大舞台にあこがれてプロレスラーになり、ついこの間までテレビで観ていたあこがれのスターとリング上で闘うことになる、この感動をみんなで共有する試合になるんじゃないかなってボクは思いますね。彼女がよく口にしている“真琴物語”の中で、このセリーナ戦はきっと大きな展開を迎えるきっかけになるはずでしょう。
FCFと初めて絡むMentalloが勝負のカギを握るかもしれない
KUSHIDA、Mentallo vs. 大原はじめ、ジェシカ・ラブ
『SMASH.12』の見どころでも少し触れましたが、タッグチームとしてどっちがパッケージ感、あるいは個性を発揮できるか、その勝負になると思うんですよ。
だから、昼の『SMASH.12』で大原&ジェシカが確固たるものを生み出すことができたら、その勢いで2人はKUSHIDA&Mentalloにぶつかっていくと思うし、昼に観ているお客さんも大原&ジェシカのほうに乗る可能性はあるじゃないですか。そういう意味でも、昼夜通して注目したいですよね、大原&ジェシカには。
あと、これは意外なんですけど、MentalloがFCFの選手と絡むのはこの試合が初めてなんですよね。MentalloもSMASHにレギュラーとして定着してきて、いよいよメインストリームに絡んでくるというか、もちろんMentallo本人もそれを望んでいると思いますし、ある意味で勝負のカギを握っているのかなという気もしますね。このタッグマッチはすごく楽しみなカードですよ。
ダメだったら、リンは香港に帰るべき
伸び悩みが見えるリンにとって、個の戦いは正念場。直訴した朱里戦で、どんな戦いを見せるか? 【t.SAKUMA】
朱里、児玉ユースケ vs. 小路晃、リン・バイロン
この試合はリンが昨年の『ハプニングEve’』(2010年12月24日/新宿FACE)で大原と対戦した後に、朱里ちゃんとの対戦を直訴して組んだカードなんですよね。で、ボクは「これはリンが朱里ちゃんに対して嫉妬しているのでは?」、と勝手に思い込んでいるんですけど(笑)、嫉妬しました、試合を組んでもらいました、試合をやりました、ダメでした、これではもう済まないところまできていると思うんですよ、リンは。
厳しい言い方になるかもしれませんが、もうこれでダメだったら、リンは香港に帰るべきだとボクは思うんですよ。で、大原との試合を観てボクは思ったんですけど、リンはあの試合で大原にすべてを見透かされているというか、何も通用しなかったじゃないですか。その原因は何であったかと言うと、リンはデビューしてから目に見えて変わったところがないからだと思うんですよね。大原や朱里ちゃんなど周りは着実に進化しているのに、リンはデビューしてから何も進化していない。これに対してリンはそのジレンマに頭を抱えている状態というか。でも、そのすべての原因は自分にあると思うんですよ。
だから、このジレンマから抜け出すにはリンが自分で考えて動かないといけないんですよ。これはリンだけじゃなく、レスラーだったらデビューして必ずぶち当たる壁ですからね。そもそもリンはデビュー戦の輝きはすごかったじゃないですか。だから、持ってるものはあるんですよ。『SMASH.4』(2010年6月24日/新宿FACE)のときに6人タッグでFCFと闘ったじゃないですか。今観てもあの試合のリンはすごい輝きを放っていたんですよね。
ここでひとつボクからヒントを与えるとしたら、デビュー戦の頃は周りからのお膳立てというかサポートがあったと思うんですよ。でも、これからは自分の手で道を切り拓いていかなければいけない。それを大原戦でもしリンが気づいていれば、きっと今度の試合で何か変われるきっかけを生み出せると思うんですよね。スランプ脱出のヒントはそこにあると思います。
木藤選手にはこのチャンスをものにしてもらいたい
木藤裕次 vs.D−レイ3000
今までの『ワールドトライアウト』は、ボクやAKIRAさんが査定人となってトライアウト出場選手と闘うケースが多かったんですけど、今回はトライアウト出場選手同士の対決ということでこれもまた新たなる試みになりますね。
D−レイ3000に関しては、『SMASH.12』の完全ガイドで解説しているのでそちらをご覧いただくとして、木藤選手に関してですが、彼はカナダや米国で結構長いこと試合をしていたり割と海外志向の強い選手なんですよね。あと、何年か前に北海道にあるローカル団体の『北都プロレス』にボクとKUSHIDAで参戦したことがあったんですけど、そのときに彼の試合を観ているんですね。それで彼の試合が終わった後にKUSHIDAと「いや〜、上手いねえ」って感想を話していたんですよ。
そんな中で木藤選手が今回トライアウトに名乗りをあげてくれたわけですが、実は、彼はSMASHのオフィスが入っているビルの1階にあるゴルフショップで働いているんですよ。だから、SMASHが旗揚げすることになってボクがオフィスに来た最初の日に彼とビルの1階で会って、「なんでここにいるの?」「いや、ここのお店で働いているんです」っていう会話をしたんですよね。
で、その頃から彼の頭の中にはSMASHという団体があって、ずっと気になってはいたらしいんですよ。だけど、その一方で彼の中では「自分なんか相手にされないだろう」と思っていたみたいなんですよね。だから、そういうイイ奴なんですよ、彼は(笑)。
そういう偶然だったり出会いも含めて、これはきっと何かがあるはずなんで彼にはこのチャンスをものにしてもらいたいですね。
川にションベンをひっかけて汚すような奴はただじゃ済まない
で、ひとつ言いたいのは、華名たちがせっかくのショーをぶち壊すようなことをしてきたら、ただでは済まさないぞと。これはボクだけではなく、SMASHのみんながそう思ってますから。華名は「高貴でオシャレで、だけど片手間な遊び」とか言ってますけど、こっちは遊びでSMASHをやってるわけじゃないですからね。常に一戦一戦が真剣勝負、対戦相手だけじゃなくてあらゆるものと真剣に闘っている、それがSMASHなんですよ。これをボクは逆に華名たちに予告しますよ。
そして、今回の昼夜ダブルヘッダーに関してですが、2011年最初の大会ということで、今年の流れを占う意味でも絶対に見逃すことができない2連戦ですよね。去年というのは、例えると、いくつかある源流から水がチョロチョロとわき出て、それがひとつにまとまって川としての体裁を整えながら流れ始めた、そんな一年だったんですよね。で、今年はその川がどのように流れていくのか、今年一発目となるダブルヘッダーでそれがハッキリと見えると思います。だから、もしその川の流れが、いわゆる上流の激流であったらおぼれて脱落していく者も出てくるかもしれない。逆に、あえてその激流に飛び込む勇気がある者も出てくるかもしれない。そういう意味でも、そんな川にションベンをひっかけて汚すような奴はただじゃ済まないぞと、そういうことなんですよね(ニヤリ)。
1月29日(土)東京・新宿FACE 開場11:00 開始12:00
【全対戦カード】
※試合順は後日発表
<メーンイベント 〜FCFチャンピオンシップ〜>
[王者]TAJIRI
[挑戦者]スペル・クレイジー
スターバック
マイケル・コバック
KUSHIDA
Mentallo
リン・バイロン、児玉ユースケ
大原はじめ、ジェシカ・ラブ
朱里
セリーナ
小路晃
大森隆男
<ワールドトライアウト>
AKIRA
D−レイ3000
■「SMASH.13」
1月29日(土)東京・新宿FACE 開場17:00 開始18:00
【全対戦カード】
※試合順は後日発表
<メインイベント>
TAJIRI
マイケル・コバック
※『SMASH.12』でTAJIRI選手がFCF王座防衛に成功した場合はタイトルマッチとなる
スターバック
スペル・クレイジー
※『SMASH.12』でクレイジー選手がFCF王座を奪取した場合はタイトルマッチとなる
KUSHIDA、Mentallo
大原はじめ、ジェシカ・ラブ
AKIRA
大森隆男
真琴
セリーナ
朱里、児玉ユースケ
小路晃、リン・バイロン
<ワールドトライアウト>
木藤裕次
D−レイ3000
■「SMASH Live in Osaka」
1月30日(日)大阪・世界館 開場12:00 開始13:00
TAJIRI、AKIRA
スターバック、大原はじめ
KUSHIDA
スペル・クレイジー
華名
ジェシカ・ラブ
※残りカードは当日発表!
【参戦予定選手】
小路晃、朱里、リン・バイロン、児玉ユースケ、Mentallo、他